高市早苗首相は5日午後、衆院本会議で所信表明演説を行った。看板政策の「責任ある積極財政」を改めて掲げ、物価高対策として消費減税を実現するための法案の成立を目指す考えを強調。「決断、挑戦、実行。」と連呼した。
「経世済民」の志と「責任ある積極財政」
首相は演説の冒頭で「世界は今、国際秩序の変容のまっただ中にあります」と述べ、「ルールに基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜き、世界共通のリスクや課題に先手を打つ『危機管理投資』や、未来を切り拓く『成長投資』を大胆に進める」と強調した。
その上で「私が貫く志は、『経世済民』です」と述べ、「高市内閣の最優先課題は、『経済』の力で、国民の皆様の暮らしを守り、『希望ある未来』を切り拓くことです」と語った。
「責任ある積極財政」については、「国内投資を引き出し、日本の潜在成長率を引き上げ、良質な雇用と所得を増やし、消費マインドを改善し、事業収益が上がり、税収が自然増に向かう、『GDP(国内総生産)拡大の下での好循環』を実現します」と説明。「今こそ、『責任ある積極財政 元年』の幕開けです」と述べた。
成長戦略と地域未来戦略
「日本成長戦略」については、「17の戦略分野、62の製品などのうち、足元の収益源、今後の稼ぎ頭、経済安全保障の強化、それぞれの重点分野を中心に、『官民投資ロードマップ』を磨き上げ、今後5年間の国内投資の道筋を明らかにする『日本成長戦略実行計画』を年内に策定します」と述べた。
また、「地域未来戦略」については、「既に50を超える計画が動き出しました。水面下では、全国各地で数百もの構想が進んでおり、年末までに、策定・公表される計画を倍増させます」と語った。
さらに、来年春までに「国内投資マップ」を公表するとした。
消費税・支援金法案と人口戦略
物価高対策については、「暮らしに最も近い飲食料品の税負担を軽くし、あわせて、所得に応じた支援金を措置し、家計に少しでも『ゆとり』を生み出したい」として、「消費税・支援金法案」の準備を進めていると述べた。
財源確保に関しては、「市場の信認を得られるよう、特例公債に頼らずに確保することとしており、御心配には及びません」と強調した。
人口減少問題については、「年末を目途に『人口総合戦略』を策定し、人口動態の将来シミュレーションと対応策の全体像をお示しします」と述べた。
外交・安全保障と防災
外交では、「日米同盟は、我が国の外交・安全保障の基軸です。その抑止力と対処力を一層強化し、同盟を更なる高みに引き上げてまいります」と述べた。中国に対しては「『戦略的互恵関係』を包括的に推進していきます」としつつ、「我が国の立場について主張すべきことは主張し、責任ある行動を強く求めていきます」と語った。
防衛力については、「年末までに、『三文書』を見直します」と表明した。
防災行政に関しては、「本年11月、防災庁が発足します」と述べ、「事前防災・予防保全など平時の備えから、発災直後の救助やインフラ復旧などの初動対応、避難所の設置、物資供給、復旧・復興を一気通貫で担う災害対応の司令塔となる体制を確立します」と説明した。
演説の締めくくりでは「『決断、挑戦、実行。』、『決断、挑戦、実行。』 国民の皆様に実感いただける確かな成果を、積み重ねてまいります」と述べ、「御清聴ありがとうございました」と締めくくった。