岸田首相は、防衛費増額の財源確保に向けて国民負担の増加を検討していることが明らかになった。政府関係者によると、法人税、所得税、たばこ税の引き上げ案が浮上しており、年内の税制改正議論が本格化する見通しだ。
防衛費倍増への道筋
政府は、2023年度からの5年間で防衛費を約43兆円に倍増する方針を掲げている。現行の防衛費は約5兆円だが、2027年度にはGDP比2%に相当する約11兆円に引き上げる計画だ。この増額分の財源として、約4兆円を税収増で賄う必要がある。
首相は、国民に負担を求めることについて「説明責任を果たす」と述べ、理解を得る姿勢を示している。しかし、与党内からは「増税は時期尚早」との声も上がっており、調整は難航が予想される。
税制改正の焦点
具体的な増税案として、法人税率の引き上げ、所得税の最高税率の見直し、たばこ税の増額が検討されている。法人税は現在の実効税率約30%から数%の引き上げ、所得税は最高税率45%の適用拡大、たばこ税は1本あたり数円の増額が想定されている。
財務省の試算では、法人税引き上げで約1.5兆円、所得税で約1兆円、たばこ税で約5000億円の増収が見込めるという。ただし、経済界からは「国際競争力の低下を招く」との反発が予想される。
国民への影響
国民負担増は家計に直接響く。所得税の最高税率引き上げは高所得者層が対象だが、たばこ税の増額は喫煙者全体に影響する。政府は「経済成長と財政健全化の両立」を掲げるが、増税による消費低迷を懸念する声も根強い。
首相は「防衛力強化は国民の命と暮らしを守るために不可欠」と強調するが、野党からは「説明不足」との批判が相次いでいる。国民の理解を得られるかが今後の焦点となる。



