イスラエル首相府、ノーベル平和賞のピレイ氏を非難「偏見に凝り固まった人物」
イスラエル首相府、ピレイ氏の平和賞を非難

イスラエル首相府は9日、ノーベル平和賞に選ばれたナビ・ピレイ元国連人権高等弁務官について、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区でジェノサイド(集団殺害)を行っていると主張したとして、ユダヤ人に対する「偏見に凝り固まった人物」だと非難した。

ピレイ氏の経歴と受賞理由

南アフリカ出身で人権擁護活動に尽力してきたピレイ氏は、戦争犯罪や人道に対する罪との闘いに貢献した功績が認められ、同賞に選ばれた。ピレイ氏は以前、「東エルサレムを含むパレスチナ被占領地およびイスラエルに関する国際独立調査委員会」の委員長を務めていた。同委員会は国連全体を代表する立場にはなく、昨年、イスラエルがガザで「ジェノサイド」を行っていると認定した。

首相府と外務省の反応

イスラエル首相府はX(旧ツイッター)に、「ノルウェー・ノーベル賞委員会は道徳的な指針を失った。唯一無二のユダヤ人国家に対する血の中傷をでっち上げ、広めることでキャリアを築いてきた偏見に凝り固まった人物に、その最高の栄誉を与えると決めたからだ」と投稿した。さらに、国際刑事裁判所(ICC)の裁判官などを歴任したピレイ氏が「ユダヤ人の悪魔化」を助長していると非難した。

イスラエル外務省も9日、ピレイ氏を平和賞に選んだノーベル委員会の判断は「反イスラエル的な憎悪」を正当化するものだと非難した。同省はXに、「ノーベル委員会が21世紀最大のうそに平和賞を与えた今、(ナチス・ドイツの国民啓蒙・宣伝相を務めた)ヨーゼフ・ゲッベルスは地獄から拍手を送っているに違いない」と投稿した。

ピレイ氏の受賞声明と背景

ピレイ氏は9日、第2次世界大戦時のナチスの戦争犯罪を裁いた国際軍事裁判が開かれたドイツ・ニュルンベルクの法廷から、今回の受賞を「国際犯罪の生存者(サバイバー)」にささげると述べた。ピレイ氏は、国際独立調査委員会がガザに関する報告書を発表した当時、自身が率いるチームがICC検察局に「数千件の情報」を提供したとAFPに語っていた。

ICCは2024年、ガザでの戦闘を巡り、飢餓を用いた戦争犯罪と、殺人や迫害などの人道に対する罪の疑いで、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相らに逮捕状を出した。ネタニヤフ氏は容疑を否認している。