国土交通省と佐賀県は2026年7月17日、西九州新幹線で未整備となっている武雄温泉駅(佐賀県武雄市)から九州新幹線までの約50キロ区間について、環境アセスメント(環境影響評価)を実施することで合意した。アセスは特定のルートを前提とせずに行われ、来年度から3~5年程度の期間をかけて実施される予定だ。
合意の背景と知事の見解
佐賀県の山口祥義知事と国土交通省の水嶋智事務次官は17日、佐賀県庁で記者会見を開き、合意書に署名した。山口知事は「(整備の)議論を深めていくための糸口を示すことができ、意義深い」と述べる一方、「整備に合意したわけではない」と強調し、財政負担などへの慎重姿勢を改めて示した。
佐賀県はこれまで、財政負担などを理由に未整備区間の整備に慎重な姿勢を取っていた。今回の合意により、整備に向けた議論が本格化する可能性がある。
アセスの概要と想定ルート
アセスは専用軌道となるフル規格での整備を想定して実施される。範囲は北陸新幹線(敦賀―新大阪間)の事例を参考に幅を持たせる。特定の運行ルートを前提としないものの、国が推奨するJR佐賀駅ルートのほか、県が関心を示す佐賀空港周辺(駅から南に約12キロ)を通るルートも含まれる。最終的なルートはアセスの結果と技術的検討を踏まえて決定される。
合意書の主な内容
合意書には、佐賀県の懸念に応える内容が盛り込まれた。主な項目は以下の通り。
- 整備時の佐賀県の費用負担に一定の上限を設けること
- 西九州新幹線の終点がある長崎県との共同負担を協議すること
- 在来線の運行本数維持について、国がJR九州に求めること
西九州新幹線は2022年9月に武雄温泉―長崎間(約66キロ)が開業した。昨年秋から山口知事と早期整備を求める水嶋事務次官が会談を重ね、今回の合意に至った。



