横浜市長選、子育て支援と経済政策が争点に 7氏が訴え
横浜市長選、子育て支援と経済政策が争点に 7氏が訴え

横浜市長選に立候補した前市長と新人6人の計7氏は、ハラスメント対策や停滞する市政の立て直しに加え、子育て支援や経済政策、災害対策など幅広い政策を訴えている。18日の投開票に向けた論戦が熱を帯びている。

子育て支援策が主要テーマに

政府は2023年、「次元の異なる少子化対策」を掲げ、「こども未来戦略」をまとめた。戦略には児童手当の拡充や妊産婦支援などの具体策が並ぶ。共働きが「産み控え」につながっているとの指摘もあり、育児休業中の手取り額増額といった共働き世帯支援策も目立った。

こうした経緯もあり、近年の国政選では各候補者が子育て世帯や現役世代への支援を重視する傾向にある。横浜市長選でも候補者が関連政策を訴えており、注目を集めている。

市選挙管理委員会が公表した選挙公報で藤川祥子氏(51)は「税金はまず家計・子育て・福祉に」と主張。山中竹春前市長(54)も「もっと子育てしやすい横浜へ」と訴える。

中谷一馬氏(43)は無痛分娩への助成(上限10万円)や「第2子以降の保育料ゼロ」を掲げ、原沢敦美氏(59)は「子育て支援をさらに充実させ、子どもを安心して育てられる横浜をつくる」とする。

福山敦士氏(37)は「稼いだ財源を未来に『投資する』」として、0~2歳児の保育料無償化などを掲げた。山本理顕氏(81)は、町内会ごとにつくる「町内会サロン」に幼児や学童の支援機能をもたせるとする。浅賀由香氏(46)は、市営バスや地下鉄の運賃を「18歳まで子ども運賃に」と訴える。

経済政策と災害対策も争点

市の収入増や物価高対策を含めると、多くの候補者が経済政策を主要施策として掲げている。政策を実現するための財源も重要な論点だ。

藤川氏は水道料金などの負担軽減を掲げ、山中氏は「若者が夢を持って働ける横浜へ」とする。中谷氏は「横浜の経済をかえる」と訴え、原沢氏は「企業を呼び込み、横浜に働く場所と新たな雇用を生み出す」と主張している。福山氏は「『稼ぐ』都市にする」として市に「営業局」を新設する独自策を打ち出す。

山本氏は観光収入を現在の倍となる1兆円にするとし、浅賀氏は学生や若者への家賃補助を創設するなどとしている。

このほか災害対策に触れる候補もいる。9月の台風25号では三浦半島を中心に甚大な被害が起き、市内でも崖崩れが相次いでおり、市民の注目も高い。

人口減少への言及は限定的

一方、人口減少に焦点をあてた訴えは多くはない。

総務省が9月末に公表した2025年国勢調査の確定値では、横浜市の人口は20年の前回調査から約2万6500人減少して375万952人だった。減少数では全国の市町村で9番目に多かった。人口減少は医療や介護などの社会保障の担い手の減少だけでなく、働き手の確保が困難になるなど社会生活の維持に幅広く影響する。

国内最大の基礎自治体のリーダーとなる候補者として、どのような政策で有権者を引きつけるかが注目される。