2024年米大統領選に向け、共和党の指名獲得が確実視されるトランプ前大統領が、副大統領候補の選定において多様性を重視する可能性が出てきた。複数の共和党関係者や戦略家によれば、トランプ氏は自身の支持基盤を拡大するため、人種的・民族的に多様な人物を副大統領候補に指名する意向を示しているという。
黒人女性やヒスパニック系が候補に
現在、候補として名前が挙がっているのは、サウスカロライナ州のティム・スコット上院議員(黒人)、フロリダ州のマルコ・ルビオ上院議員(ヒスパニック系)、元国連大使のニッキー・ヘイリー氏(インド系)など。また、実業家で政治活動家のバイラク・ラジャ氏(インド系)や、トランプ政権で住宅都市開発長官を務めたベン・カーソン氏(黒人)も候補とされる。
トランプ氏は過去の選挙でも、多様性をアピールする戦略をとってきた。2016年には女性のケリーアン・コンウェイ氏を選挙対策本部長に起用し、2020年には黒人男性の有権者への働きかけを強化した。今回の副大統領候補選びでも、同様の戦略がとられる可能性が高い。
多様性重視の背景
トランプ氏が多様性を重視する背景には、2020年大統領選での敗北がある。この時、トランプ氏は白人労働者層の支持は固かったものの、黒人やヒスパニック、アジア系などマイノリティ層からの支持を十分に得られなかった。共和党内の分析によれば、2024年選挙で勝利するには、これらの層からの支持を拡大することが不可欠とされている。
また、トランプ氏は自身の支持基盤である白人保守層の離反を恐れず、あえて多様性を打ち出すことで、中道派や無党派層へのアピールを狙っているとの見方もある。共和党の戦略家は「トランプ氏は、自分が偏狭な人物ではないことを示したいのだ」と語る。
副大統領候補の選定プロセス
トランプ氏は副大統領候補の選定について、まだ公式な発表を行っていない。しかし、関係者によれば、複数の候補者と面談を重ねており、近く最終候補を絞り込む見通し。選定基準としては、トランプ氏との相性や政策の一致度、そして何より選挙戦での貢献度が重視されるとみられる。
副大統領候補が多様性を重視した場合、共和党内の保守派からは反発の声も予想される。しかし、トランプ氏は党内での求心力が依然高く、自身の判断を押し通す可能性が高い。



