JR東海の丹羽俊介社長は15日の記者会見で、リニア中央新幹線の品川―名古屋間の開業時期の公表について、静岡工区の着工とどちらが先になるかは現時点で未定だと明らかにした。同社はこれまで、静岡工区の着工後、しかるべき時期に新たな見通しを示すと説明してきたが、丹羽氏は「方針を変更したわけではない」としつつ、「どちらが先という性質のものではない」と述べ、開業時期の公表が着工に先行する可能性も排除しない考えを示唆した。
着工手続きと工期検討を並行
丹羽氏は、着工に向けた手続きと工期の検討を並行して進め、開業時期を示すと説明。工期は、隣接する山梨、長野両工区の掘削実績や、静岡工区で必要な環境保全策を踏まえて算定する。技術面を含む検討に時間がかかるとの認識を示したが、工期が10年を超えるかどうかについては明言を避けた。
静岡工区の着工が焦点
リニア中央新幹線の全線開業は、静岡工区の着工が最大の焦点となっている。同工区では、大井川の水資源や生態系への影響を懸念する静岡県との協議が長期化。着工のめどが立たない状況が続いている。JR東海は、環境保全策を講じながら着工を目指す姿勢を示しているが、具体的な時期は未定だ。
開業時期の公表は投資判断に影響
品川―名古屋間の開業時期は、沿線の不動産開発やビジネス戦略に直結するため、企業や自治体から早期の公表が求められている。JR東海は、静岡工区の着工後に開業時期を示すとしていたが、今回の丹羽氏の発言で、公表のタイミングが前後する可能性が浮上。投資家や地元経済にとって、今後の動向が注目される。



