内田有紀、50歳で挑む年の差ラブストーリー「ラストノート」 自身の現在地を香りに例える
内田有紀、50歳で挑む年の差ラブストーリー「ラストノート」

俳優の内田有紀(50)がこのほど、フジテレビ系木曜劇場『ラストノート』(毎週木曜 後10:00)の囲み取材に出席。撮影現場の様子や演じる役柄との共通点、俳優としての現在地について語った。本作はtimeleszの寺西拓人とのダブル主演で、環境も人生も異なる歳の差の男女が静かに惹かれ合い、人生で最も激しい恋へと導かれるオリジナルラブストーリー。タイトルの「ラストノート」は香水の最後に残る香りを意味し、しまっていたはずの想いが香り出す大人の純愛を描く。

30年ぶりの連ドラ主演への躊躇

フジテレビ系連続ドラマの主演は、1996年の『翼をください!』以来約30年ぶり。内田は「若い頃はリーダーシップを取ってみんなを引っ張っていく役が多かったが、実は自分はリーダーシップが取れるタイプではなく、誰かに付いていきたいタイプだった」と振り返る。ここ数年は「主演の方を精一杯補佐したい」という気持ちで、縁の下の力持ちとして支えることに注力してきたという。

そのため、今回のラブストーリーでの年の差役には驚き、真ん中に立って作品を象徴する役を演じることに「正直、躊躇しました」と内田。それでもオファーを受けた理由は、スタッフの熱意と「責任感」の捉え方が変わったからだ。「若い時は責任感にプレッシャーを感じていたが、今は1人じゃないと気づき、視野が広がった。みんなで作り上げているから大丈夫という思いで、プレッシャーより素敵な作品を届けたいという思いだけになっています」と語った。

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作品の魅力と制作陣の結束

撮影が進む中で感じる作品の魅力について、内田は「ラブストーリーとして恋をすることを大切に描いている。40代から50代以上を含め、大人の心にスッと入っていけるラブストーリーです」と説明。カメラマンや照明、音声などスタッフ一丸となって「視聴者の方に真心を持って届けたい」という強い思いで制作しているという。

「世代が近い人たち、ドラマが好きで見てきた・作ってきた人たち、アシスタント時代があった方たちで作っているので、センスが統一されていて見やすくなっています」と内田。また、ラブストーリーだが「女性だけでなく男性も、年齢に限らずときめいてほしい。若い方には『こういう風に恋愛が進んでいったら素敵だな』と思ってもらえるかもしれません。恋愛に障害があっても『人と出会うことは諦めなくてもいいのかな』と思える、一人ひとりに寄り添う作品です」と語った。

役柄・一瀬葵との共感

内田が演じるのは、現状維持の日常を送る49歳の女性・一瀬葵。その魅力や共感する部分について、内田は「私が40代になる前や40代くらいになってから感じていた、『息を潜めて生きていきたい』というようなことが起きます」と自身の経験を重ねる。

「若い時は勢いで『怖いものはない』と思って生き、前向きな気持ちが強すぎて空回りすることもあった。でも段々とブレーキを踏めるようになり、自分の弱点や強みが分かってくる。ところが分かってきた頃に、頭をバンっと叩かれるようなことが起こり、『そんなんじゃダメだよ』と言われるようなことを神様が用意している。そこで調子に乗っていてはいけないと思うようになり、そこから一歩を踏み出すことが怖くなることもある」と内田は自身の経験を語る。

そうした経験があるからこそ、葵の気持ちがよく分かるという。葵がそこから抜け出すのは「人との出会い」であり、本作では澄晴との出会いが鍵となる。「性別、年齢問わず、一人の人間としての生き方や考え方に刺激を受けて、人は変われるということを、葵を演じていて客観的に思いました」と内田。

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葵は「自分のやりたくないことも飲み込んで、物事を円滑に進める。とても平和主義で、みんながうまくいくなら自分が犠牲になってもいいと思っている。そんな時にいつも息を吸い込むんですね。私はそこにシンパシーを感じます。でも、吐き出すシーンがない。それが印象的です。人は呼吸したら吐き出すと思いますが、吐き出さない姿が葵を象徴しているように思います」と分析した。

香りと役柄、そして人生のラストノート

香りを扱う作品にちなみ、普段の生活での香りの取り入れ方について、内田は「役柄で匂いを決めています。悪女をやるときは色っぽい匂いを探してつけたり、爽やかな役の時は爽やかな香りをつけたり。先輩俳優にもそういう方がいるので、私も役に合わせて香りを使っています」と明かす。自室ではディフューザーで好きなホテルの香りに近いものを使用しており、「ホテルの方に伺っても教えていただけなかったので、近い匂いを探しています。ホテルのロビーのような香りを漂わせて、家の中ではそこにいるような気分になりたいです」と語った。

自身の人生やキャリアを香水のノートに例えると、現在は「ミドルノートからラストノートへ移行している状態だと思っています。中間かな。中間管理職(笑)? トップノートは若い頃のように勢いがあるものだとすると、中間になると物事が分かってきて視野も広がってくる。でも、最後の余韻になるにはまだ早くて。自分の中では変化をしている時期だと思います」と内田。

最終的に目指すラストノートについては「穏やかな柔らかい甘い香り、でも甘すぎず、アンバーのような香りを目指したい。光としてのアンバーもありますが、強い光ではなく、周りの人も自分も照らせるような人間でいたいと思います」と理想を語った。