2020年米大統領選挙において、民主党候補のジョー・バイデン前副大統領が勝利を確実にした。主要メディアが11月7日にバイデン氏の当選を一斉に報じ、世界各国の首脳から祝意が寄せられた。しかし、現職のドナルド・トランプ大統領は敗北を認めず、選挙不正があったと主張して法的闘争を続けている。このため、新政権への移行作業は遅延し、政権空白への懸念が強まっている。
バイデン氏、勝利宣言と移行準備
バイデン氏は11月7日夜、地元デラウェア州ウィルミントンで勝利宣言を行い、「私はアメリカ全土を統合する大統領になる」と訴えた。同氏は早速、新型コロナウイルス対策や経済再建に着手する意向を示し、政権移行チームを発足させた。しかし、連邦政府の総務庁(GSA)が移行手続きに必要な「確実な勝利」の認定を行っていないため、バイデン氏側は機密情報へのアクセスや予算の使用が制限されている。
トランプ大統領は複数の州で再集計や訴訟を起こしており、ペンシルベニア州やミシガン州などで法廷闘争を展開中。選挙人団による正式な投票は12月14日に予定されており、法的な決着はその後になる可能性が高い。
トランプ氏、敗北認めず法的闘争継続
トランプ大統領はツイッターで「この選挙は不正だ」と繰り返し主張し、支持者に向けて「戦い続ける」と宣言。共和党からも一部の議員がトランプ氏の主張に同調しているが、党内からは「選挙結果を受け入れるべきだ」との声も上がっている。例えば、共和党のミット・ロムニー上院議員は「民主主義のプロセスを尊重すべき」と述べた。
専門家は、トランプ氏の法的挑戦が選挙結果を覆す可能性は極めて低いと指摘する。選挙不正の証拠は乏しく、各州の選挙管理当局も「大規模な不正は確認されていない」と発表している。
国内外の反応と今後の展望
国際社会では、英国のボリス・ジョンソン首相やフランスのエマニュエル・マクロン大統領、ドイツのアンゲラ・メルケル首相などがバイデン氏に祝意を送り、協力関係の構築に期待を示した。一方、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は正式な結果が出るまでコメントしない姿勢を取っている。
国内では、バイデン氏の勝利に安堵する声が広がる一方、トランプ氏の支持者による抗議活動も一部で発生。政権移行の停滞が新型コロナウイルス対策や経済政策に悪影響を及ぼすとの懸念が専門家から出ている。ワシントン・ポスト紙は「移行の遅れは国家安全保障上のリスクだ」と報じた。
今後の焦点は、GSAがいつ認定を行うか、そしてトランプ氏がいつ敗北を認めるかにある。12月8日までに各州の選挙結果が確定し、12月14日の選挙人投票を経て、2021年1月6日に連邦議会で結果が承認される予定だ。



