福岡県議会元副議長、茶封筒に500万円入れ蔵内議長に手渡しと証言 本人は否定
福岡県議会元副議長、茶封筒に500万円手渡しと証言 議長否定

福岡県議会の正副議長就任を巡る金銭授受疑惑で、元副議長の一人が、就任前に蔵内勇夫議長(自民党県議団所属)に現金500万円を茶封筒に入れて手渡したと証言した。藏内氏は17日、県議会で報道陣の取材に応じ、「一切ございません」と金銭の受け取りを強く否定した。全議員を対象とする第三者による調査は、当初7月中の開始を目指していたが、弁護士選定などに時間を要し、8月上旬以降にずれ込む見通しとなった。

元副議長の証言内容

証言したのは、読売新聞の取材に金銭授与を認めていた4人のうちの1人で、自民党以外の会派に所属する元副議長だ。元副議長によると、就任前に会派幹部から「副議長なら500万円」と言われ、貯蓄などから資金を準備。副議長選出の約1か月前に行われた自民党幹部と所属会派幹部らの懇親会の際、茶封筒に現金を入れ、中身を告げずに藏内氏に手渡すと、「どうも」と言って受け取ったという。

藏内氏はこの日、報道陣から元副議長の証言を指摘され、金銭の要求や受け取りの有無を問われると、「議会内の人事に関して、そういったことはあり得ない」と否定。「匿名で色々なことを言っている人がいるが、うわさ話や匿名の話に答えることはできない」と言い切った。

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現職県議2人が実名で主張

県議会では、現職県議2人が実名で正副議長就任前に金銭授受があったと主張している。藏内氏は「それぞれの方が思いを持って話されている」と述べるにとどめた。第三者調査は当初、7月中の実施を目指していたが、弁護士の選定などに時間を要し、8月上旬以降になる見込み。来年4月に任期満了を迎えることを踏まえ、藏内氏は「選挙前には答えを出さなければならない。ある程度のスパンで調査していただくことが大事」とし、早期の解明が必要との考えを改めて示した。

一連の騒動を受け、議長職の進退を問われると、「(進退への)コメントは時期尚早。議会の色々な問題を解明するという、議長としての責任を果たさないといけない」と語った。

藏内氏の国際的な活動と疑惑の影響

藏内氏は世界獣医師会会長として、7月9日から米国での国際会議に出席していた。疑惑を巡って、14日に記者会見を行った中尾正幸副議長は、金銭授受を否定しながらも録音された音声データを自身の会話と認めた。藏内氏は中尾氏から「自分なりに努力してやったつもりだったが、十二分に自分の真意を伝えることができなかった。申し訳なく思っている」と説明を受けたことも明かした。

「県議会のドン」とされる藏内氏は、福岡県筑後市選出で当選10回。2001~02年に議長を務めたが、2025年4月に異例の再登板をし、同年6月に全国都道府県議会議長会の会長に就任。人と動物の健康、環境保全を一体的に考える「ワンヘルス」の伝道師を掲げ、2026年4月には世界獣医師会会長の座についた。

福岡政界における藏内氏の影響力

自民党の麻生太郎副総裁(衆院福岡8区)や武田良太・元総務相(衆院福岡11区)ら実力者がしのぎを削る福岡県政界にあって、藏内氏は2人に劣らぬ存在感を示してきた。その力の源泉は県議会の半数近くを占める自民党県議団(41人)だ。議会では議長や多くの委員長のポストを掌握。党県連でも県議団の人数の多さと結束の強さで影響力を発揮し、藏内氏が県連会長に就いた2015年以降、会長職は国会議員ではなく県議が務めている。

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6月上旬に開かれた藏内氏の世界獣医師会会長就任を祝う会では、麻生氏が「強引ともいえるような手腕をいかんなく発揮されることを楽しみにしたいと思います」とのビデオメッセージを寄せた。17日、金銭授受疑惑の告発の過程に麻生氏側が関与しているのではないかと問われた藏内氏は、「麻生先生は非常に信頼している間柄」と強調。「(麻生氏は)県連についてはものを申すが、県議会、県議団のことは一切言わない。これは固く私との約束で守っていただいている」と述べた。