竹島問題を啓発する島根県の「県竹島資料室」(松江市)の2025年度の入室者が7093人となり、記録が残る2012年度以降、過去最多となった。県は、2月の「竹島の日」の式典を巡り、高市首相が2025年秋の自民党総裁選中に「閣僚が出席すべきだ」という趣旨の発言をしたことで関心が高まり、入室者の増加につながったとみている。
2025年度は初の7000人超え
県竹島対策室によると、竹島資料室は2007年4月に開館。県所有の竹島関係の歴史的公文書や資料、県竹島問題研究会の研究成果などを紹介している。元々は平日だけ開館していたが、2012年10月からは土、日曜と祝日も開け、火曜休館体制とした。入室者は記録が残る2012年度は4864人で、4000~5000人台を中心に推移してきた。
韓国の李明博大統領(当時)が2012年8月に竹島に上陸した翌年の2013年度は、関心を持つ人が増えたとみられ、6443人と一気に増加。コロナ禍の2020年度は3806人に落ち込んだが、看板やのぼりによる啓発も奏功し、2023年度は5743人、竹島の日(2月22日)の県条例制定20年を迎えた2024年度は6476人と徐々に回復した。
高市首相の発言と「ばけばけ」効果
さらに、2025年度は初めて7000人を突破した。高市首相が2025年9月の自民総裁選中の討論番組で、竹島の日の式典を巡り、「堂々と大臣が出て行ったらいい」と発言したことから、竹島を知ろうとする人が増えたとみられるという。ただし、2026年2月の式典には閣僚は出席しなかった。
さらに県は、資料室を訪れた人に地元の大学生が竹島問題を解説する取り組みを、2025年8月以降は週1日から週2日に拡充。今年1月には、江戸時代初期に幕府の許可を得て竹島と鬱陵島(韓国)に渡海した米子の商人「村川家」の文書や絵図計71点を取得したと発表した。
これらの取り組みに加え、松江ゆかりの作家・小泉八雲と妻のセツをモデルにしたNHKの連続テレビ小説「ばけばけ」の放送による観光客増加も、入室者が増える要因になったと、県は推測している。
県の今後の取り組み
県竹島対策室の山根健太郎室長は「入室者が増えることは喜ばしい。関心を持って訪れた方も、ふらっと立ち寄った方にも学びや知識を深めてもらえるよう、展示を工夫し、新たな企画を考えていきたい」と話す。