国本梨紗さんが語る新聞の価値と若者へのアプローチ
国本梨紗さんが語る新聞の価値と若者へのアプローチ

日本新聞協会と全国の会員報道各社は、10月15日からの「新聞週間」に合わせ、タレントの国本梨紗さんにインタビューした。大学でジャーナリズムを学び、地域情報紙にコラムを持つ国本さんに、新聞の魅力や若い人に読んでもらうためのアイデアを聞いた。

成長で変わった新聞の読み方

子どもの頃は四コマ漫画をひたすら読むような子どもだったという。小学校に入った頃、よく新聞を読んでいた祖父に勧められて、少しずつ新聞記事を「見始める」ようになり、最初は1面やスポーツ面、テレビ欄を見るのが日課だった。中学生になると、友達と授業で使う新聞を持ち寄り、「記事ってどうやって読むの?」と話し合いながら大人の気分を味わっていた。

高校入試が近づいた頃、周囲から「面接試験を受けるなら新聞を読んでおいた方がいいよ」とアドバイスされ、政治記事も読むようになった。現在はデジタル版を購読し、ネットニュースを拾う感覚で気になった記事を読んでいる。情報番組に出演する機会も多く、自分の意見だけに偏らないよう、社説をはじめニュースに対する考え方を整理するのに新聞が役立っているという。

発信の影響力と責任

大学でジャーナリズムを専攻したのは、情報発信について学びたかったからだ。高校生の時にお天気キャスターを務めるようになり、自分が発するひと言で視聴者はその日の服装や持ち物を決めるという影響力と責任に思いが至った。

新聞はどんな記事もしっかり取材してあり、裏付けも取り、限られた字数で伝え方を工夫している。SNSは大好きだが、フェイクニュースも根拠不明の情報も飛び交う世界なだけに、事実を伝える新聞の重要性をあらためて感じている。

表現力を磨きたい

新聞の発行部数は減少傾向が続き、特に若い世代に届きにくくなっている。大学の授業で新聞を見ながら「自分ならニュースをどう順位付けするか」を考えたとき、多くが物価高騰や人工知能(AI)の記事を選んでいた。ジャーナリズム専攻でも新聞を購読している学生は少ないが、授業では「読んでみると面白い」と話す人もいた。学生も自分の暮らしに直結するテーマには強い関心を持っている。

エンタメやアイドル、売れ筋のシールなど若い人たちが興味を持つ話題を入り口にして経済や社会を考える記事を載せることや、文体や見出しを少し軟らかくすることなどを提案。「きっかけさえあれば、若い人たちだって新聞を読むようになると思います」と語った。

自身は食べ物の味や食感を現場から伝える「食レポ」に取り組み、どう表現したら視聴者がその食べ物をイメージできるかを常に意識している。長野県の中信地方のタブロイド紙「MGプレス」で小さな旅や日常の出来事を届けるコラムを執筆し、毎回まとめる難しさを痛感している。地元で「コラムを読んでいるよ」と声をかけられることもあり、読者に一緒に旅をしている気分になってもらえたらうれしいと話す。新聞記事と一緒くたにはできないが、さまざまな情報や考え方に触れるよう意識しつつ、表現力を磨いて温かな情報を届けられる仕事をしていきたいと抱負を語った。

国本さんは2003年生まれ、長野県白馬村出身。21~25年に情報番組「ズームイン‼サタデー」(日本テレビ系)に出演し、21年当時「高校生お天気キャスター」として話題を呼んだ。その後もテレビのバラエティー番組や企業・団体のCMに出演し、23年からは出身地の観光大使を務める。在学中の大学ではジャーナリズムを専攻している。