政府は20日、新たなエネルギー基本計画を閣議決定した。再生可能エネルギーを「主力電源」と明確に位置づけ、2040年時点で発電量に占める割合を40~50%に引き上げる目標を設定。一方、原子力発電については、既存の原発を最大限活用し、規模を維持する方針を打ち出した。
再生可能エネルギーの拡大目標
計画では、2030年度に再エネ比率36~38%(従来目標)を達成した上で、2040年度には40~50%を目指す。太陽光発電は、住宅用や事業用の導入を促進し、洋上風力発電は30年度までに10GW、40年度までに30~45GWの導入目標を掲げた。また、水素・アンモニアの混焼や、次世代型太陽電池「ペロブスカイト太陽電池」の実用化を推進する。
原子力発電の位置づけ
原発については「重要なベースロード電源」と位置づけ、安全性の確保を大前提に、既存の原発の再稼働を進める。具体的には、27基の原発のうち、審査に合格したものから順次再稼働させる。また、廃炉が決まった原発の跡地に、次世代型原発の建設を検討する方針も盛り込んだ。政府は「原発の規模は現状程度を維持する」としており、新増設は見送る。
化石燃料の扱い
化石燃料については、火力発電の効率を高め、二酸化炭素(CO2)排出量の削減を図る。LNG(液化天然ガス)や石炭については、水素・アンモニアの混焼やCCS(二酸化炭素回収・貯留)技術の導入により、脱炭素化を進める。石油は、非常時の備えとして一定の供給力を維持する。
計画の背景と今後の課題
今回の計画は、2021年に策定した前回計画を3年ぶりに改定したもの。ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格高騰や、気候変動対策の国際的な要請を受け、安定供給と脱炭素の両立が求められている。政府は「再エネと原発の両輪で、温室効果ガス排出量を40年度に13年度比で73%削減する」としている。
一方、再エネの拡大には、送電網の整備や出力変動への対策が不可欠。また、原発の再稼働には地元自治体の同意が必要で、福島第一原発事故後の信頼回復が課題だ。資源エネルギー庁の担当者は「国民の理解を得ながら、着実に実行していく」と述べた。



