日本銀行は18日の金融政策決定会合で、政策金利である短期金利の誘導目標を1.0%程度から1.25%程度に引き上げることを賛成多数で決めた。原油価格の上昇や円安傾向によって物価が想定以上に高まるリスクへの政策対応が必要と判断した。利上げの決定は今年6月の決定会合以来3か月ぶりとなる。
3か月での利上げは金融緩和終了後で最短
日銀はこれまで、経済・物価・金融情勢を見極めながら、おおむね半年に1回のペースで利上げを実施してきた。3か月での利上げ決定は、2024年3月にマイナス金利政策などの大規模な金融緩和策を終了した後では最も短い間隔となる。新たな政策金利は1995年以来31年ぶりの高い水準で、今月24日から適用する。
決定には7人が賛成、2人が反対
決定には、総裁、副総裁、審議委員の計9人の政策委員のうち7人が賛成した。審議委員の浅田統一郎氏と佐藤綾野氏は、それぞれ政策金利を1.0%程度に据え置くことを提案して反対した。植田和男総裁は18日午後の記者会見で決定内容について説明するが、市場では、今後の利上げのペースに関する発言の有無が注目されている。
物価上昇への警戒感が背景に
日銀内では決定会合前、政策判断で重視する、一時的な変動要因を除いた「基調的な物価上昇率」が「物価安定の目標」の2%を超えて上昇することへの警戒感が高まっていた。
供給網の「川上」にあたる企業間のモノの取引価格の動きを示す「企業物価指数」は、8月の上昇率が前年同月比7.6%となった。7%を超えるのは6月から3か月連続だ。日銀は今年度の後半以降、企業が価格転嫁を進めて「川下」にあたる消費者物価の上昇も加速すると予測している。
現在の金融環境については「緩和的」との見方が大勢で、日銀内では、将来、物価上昇に対して政策が後手に回る状況に陥ることを避けるため、利上げのペースを加速させる必要性を指摘する意見が出ていた。
日銀の政策判断を巡っては、ベッセント米財務長官が8月30日の植田氏との会談で、過度な円安の是正のために、「日本が断固とした市場・金融政策上の措置を講じることを強く支持する」などと発言していた。



