農林水産相の簗和生氏の更迭劇は、改めて「高市一強」の政治状況を浮き彫りにし、その弊害をも露呈した。
首相官邸での一夜
13日夜、首相官邸。衆院予算委員会を終えた高市早苗首相(自民党総裁)は、記者団の前で簗氏の問題に言及した。「今夜中に電話なりで報告を受けたい。明日も会えれば、しっかりと話を聞きたい」。自らが判断を下す姿勢を示した形だった。
この夜、首相自身が日中の国会論戦で更迭に含みを持たせたことで、簗氏の辞任は既定路線とみなされた。それでも取材に応じる政府高官や官邸幹部は論評を避け、「首相が決めることだ」と繰り返し、首相主導であることを強調した。
「一強」を築いた背景
政権発足からまもなく1年。当初は「無派閥出身で党内基盤が脆弱(ぜいじゃく)」と指摘された首相だが、今では「一強」を築いたとみなされている。その原動力は、先の衆院選の歴史的大勝にある。石破政権下で国政選挙に連敗し、自信を失いかけていた党内の空気を大きく変えた。
一強をより強固にしたのは、首相の手腕が試される人事における振る舞いだ。消費減税に慎重な党税制調査会(税調)のメンバーの入れ替えを指示し、国会運営をめぐって溝を深めた参院幹部の交代にも首相の意向が反映されたとの見方があった。
今後の国会運営への影響
「税調」「参院」は、首相と…この記事は有料記事です。残り1474文字有料会員になると続きをお読みいただけます。