ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は16日、ミハイロ・フェドロフ国防相を解任し、後任にエフゲニー・フマラ保安庁長官代行を指名すると発表した。首都キーウでは解任に抗議するデモが広がる中、フェドロフ氏は軍幹部が今回の更迭を画策したと主張している。
ゼレンスキー大統領、フマラ氏の経験を評価
ゼレンスキー氏はSNSに投稿し、「フマラは、技術的な戦闘作戦において、広範かつ多くの点で前例のない経験を積んでいる」と述べ、指名の理由を説明した。フマラ氏は保安庁長官代行として、これまでにドローンや電子戦などの先端技術を活用した作戦を指揮してきた。
フェドロフ前国防相、国民から高い支持
今年1月に就任したばかりのフェドロフ氏は、ドローンや人工知能(AI)の活用で軍のデジタル化を推進し、国民から高い支持を集めていた。特に、ロシア軍に対する効果的な攻撃を可能にした無人機運用の効率化が評価されていた。
キーウでは16日、数百人の市民が解任に反対する集会に参加。プラカードを掲げ、国歌を歌う様子が見られた。デモに参加したヴィクトリア・オシペンコさん(24)は「彼の在任中に成果が見られた。ロシアの標的に対して効果的な攻撃が行われた」と語った。また、マルガリータ・レフチェンコさん(25)は「人々の声を聞いてほしい。だからこそ、私のような人がここに集まっている」と訴えた。
フェドロフ氏、シルスキー総司令官を批判
フェドロフ氏は16日、ウクライナ軍のオレクサンドル・シルスキー総司令官が今回の解任を画策したと主張し、軍幹部を強く批判した。フェドロフ氏は記者団に対し「ロシアを打ち負かす方法を考える代わりに、彼は国を分裂させる方法を考え出した」と述べ、シルスキー氏が軍を指揮する限り、ウクライナがロシアに勝てるかどうか疑問だと強調した。
ゼレンスキー氏、団結を呼びかけ
今回の混乱に関して、ゼレンスキー氏は、防衛省と軍司令部との間で意思疎通ができていない状況に懸念を示し、「私は団結を強く望んでいる」と述べた。ウクライナ政府内の亀裂が露呈する中、今後の国防政策への影響が懸念されている。



