高市首相は14日、衆院選で自身を支援しなかった地元首長の自治体の道路予算を「カットした」などと発言した簗和生農相(47)を交代させると決めた。事実上の更迭となる。一連の発言に加え、公職選挙法違反の疑惑が相次いで浮上し、国会審議の停滞は避けられないと判断した。昨年10月の高市内閣発足後、閣僚が不祥事で辞任するのは初めてで、政権に大きな打撃となった。
在任28日、政権復帰後最短の辞任
簗氏は先月17日の内閣改造から在任28日で辞表提出に追い込まれた形で、2012年に自民党が政権に復帰してからは最短となる。首相は後任選びを急ぐ。
簗氏は14日夜、首相官邸を訪れ、首相に辞表を提出した。首相はこれを受理し、その後記者団に「大臣が辞任する事態に至ったことについて、任命責任を重く受け止めている」と語った。このタイミングでの交代については「本人から辞表の提出があったので受け取った、ということに尽きる」と述べるにとどめた。
野党の問責決議案提出で更迭を余儀なく
これに先立つ14日午後、少数与党の参院では、野党全会派が簗氏への問責決議案提出に合意し、可決の公算が大きくなっていた。首相としては、最重要と位置づける消費税減税・支援金法案の審議入りを前に国会が不正常な状態に陥るのを防ぐため、簗氏更迭を余儀なくされた形だ。
発言撤回も新たな疑惑で続投断念
簗氏は首相への辞表提出後、首相官邸で記者団に「国会審議、農林水産行政にこれ以上迷惑をかけるわけにはいかない」と語った。
簗氏を巡っては、先月30日の週刊文春などの報道で過去の予算カット発言が明らかになった。簗氏が発言を撤回・陳謝したことから、首相はいったん続投させることを決めたが、今月7日の週刊文春報道で、衆院選中に簗氏陣営が支持者をシャトルバスで無料送迎していた問題が新たに発覚した。14日にはさらなる週刊誌報道で、衆院選中に電話かけをした運動員に簗氏陣営が報酬を支払っていたとする公選法違反の疑いが浮上し、予算委などでの追及が強まっていた。
首相は記者団に「今日も(簗氏の)答弁を聞いていたが、私自身を含め、十分に理解を得られた内容だと思っていない」と語り、続投は国民の理解を得られないとの認識を示した。