与党は、今夏の参院選の選挙公約に、賃上げを促進するための税制優遇措置の拡充を盛り込む方針を固めた。複数の与党関係者が16日、明らかにした。中小企業を中心に賃上げの動きを後押しするのが狙いで、具体的には、企業が従業員の給与を増やした場合に法人税などから差し引ける控除率を、現行の15%から25%に引き上げる案が浮上している。
賃上げ税制拡充の背景
岸田政権は「新しい資本主義」の柱として賃上げを掲げ、昨年から賃上げ税制を導入している。しかし、物価上昇が続く中、実質賃金の伸びは鈍く、中小企業では賃上げの原資確保が課題となっている。与党内からは「中小企業の賃上げをより強力に支援する必要がある」との声が上がっており、公約に盛り込むことで政策の優先度を明確にする考えだ。
公約の主な内容
公約には、賃上げ税制の拡充に加え、子育て支援や防災対策、エネルギー政策なども盛り込まれる見通し。特に子育て支援では、児童手当の所得制限撤廃や高等教育費の無償化拡大が検討されている。防災対策では、国土強靭化計画の前倒しや避難所環境の改善が柱となる。エネルギー政策では、再生可能エネルギーの導入拡大と原子力発電の活用を両立させる方針が示される予定だ。
野党側の反応
これに対し、野党側は「与党の公約は具体性に欠ける」と批判。立憲民主党の幹部は「賃上げ税制の拡充だけでは不十分で、最低賃金の引き上げや社会保険料の負担軽減が必要だ」と指摘する。また、日本維新の会も「賃上げの原資を確保するためには、規制改革や生産性向上が不可欠」と述べ、与党案への対案を示す構えだ。
今後のスケジュール
与党は、公約の最終決定を今月下旬に行う予定で、その後、参院選公示を前にした政策発表の場で正式に公表する。参院選は7月10日公示、22日投開票の日程で行われる見通しで、与野党の攻防が本格化する。



