ラーメン5000円、反老人運動も…橘玲『プアジャパン』が描く衝撃の近未来
ラーメン5000円、反老人運動…橘玲『プアジャパン』近未来

『プアジャパン』が描く衝撃の2026年

作家の橘玲氏が新刊『プアジャパン』(プレジデント社)で描いた近未来社会が話題を呼んでいる。同書は、現在のインフレが進行した先に待つ「日本型スタグフレーション」をテーマに、2026年の日本を舞台としたシミュレーション小説だ。橘氏は「来る近未来の可能性をシミュレーションしてみることには意味があると思う」と語る。

サラリーマンの住まいはネットカフェ

物語は20XX年3月10日木曜日、主人公がネットカフェで目覚める場面から始まる。主人公は家族を持つサラリーマンだが、東京都心のマンションは中古でも2億円超、家賃も高騰し、東京に住むことは不可能になっている。ビジネスホテルも1泊最低5万円以上するため、月曜の夜に地方から上京し、火曜から木曜までの出社日に合わせて人形町のネットカフェに泊まる生活を送っている。

ネットカフェには、時給の高い都心での仕事をするために自らホームレスとなった若者たちが多く滞在している。彼らは稼いだ金を「推し活」に使うことが生きがいだという。顔なじみの若者・黒木(20代半ば、ホテル接客業)は、「自分、日本人に生まれて幸せだと思ってます」と主人公に語る。

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ブロックチェーン決済とインフレ

ネットカフェの自動精算機は円のほか、ドル、ユーロ、人民元など様々な通貨で支払い可能で、リアルタイムの為替相場が表示される。全てブロックチェーンで作られたステーブルコインであり、ビットコインやソラナなどの暗号通貨も利用できる。かつてのメガバンクは消滅し、日本の金融機関はシリコンバレーのプラットフォーマーに取って代わられた。

最近は金価格に連動した「ゴールド」というステーブルコインが人気で、インフレが続くなら資産は金で持つ方が良いかもしれないと主人公は考えるが、保守的な性格から決心がつかず、3泊4日の利用料金6万円をステーブル円で支払う。

ラーメン5000円の世界

作中では、物価高騰が深刻化し、ラーメン1杯が5000円になるなど、生活費が跳ね上がる。また、高齢者に対する若者の不満が高まり、「反老人運動」が街中で発生するなど、社会の分断が進む様子が描かれる。橘氏は、このような状況を「日本型スタグフレーション」と表現し、経済停滞と物価上昇が同時に進行する危険性を警告する。

『プアジャパン』は全3回の連載の第1回として掲載されたもので、続編ではさらに詳細な社会描写が展開される見通しだ。

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