野田元首相「私にとっては敗北」 女性天皇の道開けず
2026年7月10日午後1時35分、衆院本会議で皇室典範改正案が可決された。議場を出た中道改革連合の野田佳彦元首相は記者団に囲まれ、「私にとっては敗北。長い間かかわってきたが、すごく残念な結果だ」と語った。目を赤らめながらの告白だった。
改正案は、旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎えることを可能とし、養子の子は皇位継承資格を有すると定めるもの。男系男子による皇位継承を維持する内容だ。女性天皇に道を開くべきだと訴えてきた野田氏にとって、「敗北」は率直な心情を表す言葉だった。
女性天皇容認のきっかけは民主党政権時代
野田氏が女性天皇容認を鮮明にしたきっかけは、民主党政権で首相在任中の2011年だ。当時の政権幹部によると、野田氏は宮内庁の羽毛田信吾長官から皇族数減少への危機感を伝えられ、小泉政権の元幹部からは「女性宮家」の検討を促されたという。皇族数確保のための女性宮家の創設であっても、将来の女性・女系天皇につながる可能性を強く意識するようになった。
野田氏は、政権が取り組むべき課題として女性天皇の議論を本格化させようとしたが、政権交代や党内事情で進展しなかった。その後も一貫して女性天皇容認の立場を崩さず、今回の改正案に反対してきた。
養子案は男系維持、野田氏は「残念な結果」
今回の改正案は、安倍晋三元首相が訴えた「養子案」を基にしている。男系男子の皇族数が減少する中、旧宮家の男系男子を養子に迎えることで皇位継承の安定を図る狙いだ。しかし、女性天皇や女系天皇の道は閉ざされたまま。野田氏は「私にとっては敗北」と繰り返し、長年の関わりを振り返った。
野田氏の言葉は、皇室典範改正をめぐる長年の議論に一区切りをつけるものとなった。今後の皇位継承の在り方は、引き続き国民的な議論が必要とされる。



