天皇陛下が6月11日の記者会見で、皇族数確保の議論について「国民の皆さんの理解が得られるものとなることを望んでおります」と述べられた。皇室に関する政治の動きに感想を述べるのは極めて異例で、宮内庁関係者も驚きを示している。
立憲民主党が養子案に反対、与党の想定外
皇室典範改正をめぐり、立憲民主党は養子案に賛同せず、日本保守党も女性皇族の身分保持案に同意しなかった。共産党、れいわ新選組、社民党、参院会派「沖縄の風」は総意自体に反対。高市政権にとって立憲の賛成は不可欠と見られていたため、自民党幹部は「想定外だった」と肩を落としている。
麻生太郎氏の影響力と「令和の藤原氏」懸念
寬仁親王妃信子さまの実兄である麻生太郎自民党副総裁は、養子案に強いこだわりを見せている。18日の麻生派会合で「何としても今国会で成案を得なければならない」と呼びかけた。皇室関係者の間では「麻生氏ら保守派が女性天皇や女系天皇を認めない背景には、日本会議のような右寄りの支持をつなぎとめたい狙いがある」との見方が多い。
政治学者の御厨貴・東京大学名誉教授は『文藝春秋』7月号で「三笠宮家寬仁親王妃家に養子が取られたら、麻生さんが天皇の外戚になり、平安時代の藤原氏のようになる」と指摘。これが「令和の藤原氏」誕生懸念の根拠となっている。
国民の理解が置き去りに?政局混乱の可能性
一連の議論を見る限り、「天皇陛下があえて指摘された『国民の皆さんの理解』が置き去りにされている」(自民党長老)ことは否定できない。政界有力者の間でも「高市首相や麻生氏らが皇室典範改正案の早期成立に突き進めば、政局の混乱にもつながりかねない」(同)との見方が広がり始めている。



