検事総長も定例会見を 法の日に提案 国民への発信を
検事総長も定例会見を 法の日に提案 国民への発信を

10月1日は「法の日」である。昭和3年のこの日、国民が裁判に関わる陪審制が施行されたのを機に定められた「司法記念日」が源流だ。35年に、法の役割や重要性について国民が考えるきっかけとなるよう「法の日」として制定された。

前年の34年には、裁判所、検察庁、弁護士会の三者が「われわれは法によって社会秩序を確立しなければならない。さらにまた国際紛争もこの法の支配の原則によって解決しなければならない」と決議し、制定を提唱していた。「法の支配」の重要性が国内外で共有される昨今である。

検事総長の発信がなぜ必要か

そこでひとつ提案がある。法曹三者トップの一人である検事総長は定例会見を行ったらどうか。少なくとも「法の日」のこの時期は適切だろう。検事総長は就任時と退任時に記者会見を行うが、任期中に会見を開くことはほとんどなく、国民にとって顔が見える存在とは言い難い。

最近は特捜検事による不適切な取り調べや捜査対象女性との不適切な交際などの不祥事が続発した。検察の威信が問われる事態だったが、畝本直美前検事総長はほぼ無言を貫いた。不信を払拭し改革への道筋を示すためにトップとしてもっと発信すべきではなかったか。

中立・公正との両立は可能か

中立・公正を守る立場から、検事総長は個別事件への干渉と受け取られる発言や政治的な発言は控えるべきだとされる。だが、検察運営の最高責任者として、どのような信念で検察権を行使しているかを国民に語りかける機会は必要だろう。検察の権力は国民から負託されたもので、その活動は国民の信頼があってこそ成り立つ。

最高裁長官は毎年、憲法記念日に合わせた定例会見を行っている。裁判官の不祥事が相次いだ平成13年には、当時の山口繁長官が「人を裁く裁判官は多くの人から裁かれることを認識し、身を律しなければならない」と語った。

信頼回復への一歩

法務省は「法の日」週間に毎年、東京・霞が関の赤レンガ棟で関連イベントを行う。模擬刑事裁判や検察官による模擬取り調べの実演などが子供たちに人気だという。さらに検事総長の発信の定例化があれば、検察への国民の信頼を繫ぎとめることにも役立つはずだ。