高市早苗首相は9月、ウクライナのゼレンスキー大統領と初の首脳会談に臨んだ。ロシアによる侵攻から約4年半が経過し、ウクライナ側には日本の関与に対する不満がくすぶる。武器輸出で期待を寄せるウクライナと、消極的な日本の間には温度差がある。
国連総会で初の首脳会談
国連総会で米ニューヨークを訪れた高市氏は9月22日、ゼレンスキー氏に「我が国はウクライナと共にあり、その方針に揺るぎはない」と語った。約20分の会談で、高市氏はこれまで日本政府が繰り返してきた表現で、支援の継続を伝えた。
会談はウクライナの求めで決まった。外務省幹部は「ずっと首脳会談の機会は模索してきた」と説明するが、就任から1年近く経っていた。
日本の支援とロシアへの制裁
日本は侵攻が始まった時から、「ウクライナは明日の東アジアかもしれない」(岸田文雄首相、当時)と訴え、ロシアに対する制裁で欧州諸国と足並みをそろえてきた。今月2日には、制裁を回避してロシア産のエネルギーを輸送する「影の船団」を新たに制裁対象に指定した。
一方で、高市政権は、停戦後のロシアとのエネルギー分野などでの利害も見据え、バランスをとろうとしているとみられている。背景には、ロシアに融和的な姿勢を見せるトランプ米政権の存在がある。政府関係者は「米国によるロシアへの制裁は、欧州ほど厳しくない。日本もロシアとの今後の関係を考えるべきだ」と語る。
ウクライナ側の不満
ゼレンスキー氏は8月3日、首相のウクライナ訪問について「なぜ来てくれないのか」と述べた。この記事は有料記事です。残り1666文字あります。