政府内で検討されてきた自衛隊の階級名を諸外国の軍隊と同様にする「国際標準化」が難航している。2026年度内の関連法案提出を目指していたが、自民党内から「旧軍時代への回帰だ」と異論が噴出。防衛省は8月末に予定する27年度当初予算の概算要求に、関連経費を計上しない方針だ。
連立合意が発端、維新主導で盛り込まれる
階級名変更の発端は、2025年10月の自民党と日本維新の会の連立政権合意書。「1佐」を「大佐」に、「2佐」を「中佐」に変えるなど、自衛隊独自の階級名を外国軍に合わせる内容で、26年度中に「実行する」と明記された。複数の与党関係者によると、自民党内では必要性が議論されておらず、維新の意向で盛り込まれたとみられる。
しかし現状でも、自衛隊の階級名の英訳は外国軍の名称に合わせており、変更は極めて国内向けの要素が大きい。
現場から戸惑いの声、下位階級の変更見送り案も
1954年創設の自衛隊は旧軍と決別し、通常の軍隊とは異なる組織として独自の階級名を用いてきた。突然の変更案に現場からは戸惑いの声が上がっていた。特に下位階級の「1士」を「1等兵」とすると「下っ端感がある」(防衛省関係者)との声が相次いだ。一方、現行の1佐と2佐では、「どちらが上か分かりにくい」(防衛省幹部)との意見もあった。
政府内では、呼称変更の対象を3尉以上の幹部とし、准尉以下は見送る案が有力視されていた。
防衛省、法案提出を見直し
連立合意を受け、防衛省は自衛隊法や防衛省職員給与法などの改正に向け、26年度中に改正法案を提出する方向で検討していた。小泉進次郎防衛相は25年1月以降、階級名変更に意欲を示していたが、自民党内の強い反発を受け、予算計上を見送る判断に至ったとみられる。



