バッグに銃しのばせる民主党女性、赤い荒野でトランプ政権に抗う
バッグに銃の民主党女性 赤い荒野でトランプ政権に抗う

テキサス州北部の「パンハンドル」と呼ばれる地域をルート66が東西に貫く。一帯は「トランプ王国」と呼ばれるほどの共和党の地盤で、2024年大統領選ではトランプ氏の得票率が9割を超えた郡も相次いだ。そんな土地に民主党の本部はないと思われたが、中心都市アマリロに「民主党の地方本部」が地図上で示された。

「30年、民主党本部に放置されていた」

訪ねると、ランドール郡民主党のカーミン・シーバーグ委員長(68)がいた。ランドール郡も2024年大統領選でトランプ氏が約80%を得票した地域だ。アポなしの訪問にもかかわらず、歓迎してくれた。

記者が、製造業地帯の労働者たちが民主党への違和感を語ったラストベルトでの取材経験を説明し、トランプ氏が2024年に大統領職を奪還できたのは「彼が強いからではなく、民主党が地方を軽視してきた結果ではないのか」と問題意識をぶつけると、シーバーグさんは「パンハンドル地方の私たちも基本的に30年間、(党本部に)放置されていた」と応じた。

「私が民主党員である理由」

「私が民主党員である理由」と題した掲示を背に、シーバーグさんは取材に応じた。着席しての取材に切り替わり、話は続いた。

【連載】ルート66 分断のアメリカを走る 〈レジスタンスの道〉#5 連載後編では、黒人が抑圧されてきた歴史を記録し、語り継ぎ、埋もれさせまいと抵抗する人々を訪ねてきたが、抵抗の舞台は歴史の記憶だけではない。女性や少数派が長い闘いの末に獲得してきた権利が揺らぐなか、共和党が圧倒する土地で民主党の足場を築き直し、トランプ政権にあらがう人々に出会った。