現職市長の死去に伴う北茨城市長選は27日、投開票が行われ、前市議の今井路江氏(60)が初当選を果たした。今井氏は前県議の豊田茂氏(55)や元市議の松本健一郎氏(71)らを破った。投票率は57.89%で、前回の48.43%を上回った。当日有権者数は3万3618人だった。
「市民主役の街作る」と抱負
今井氏は、北茨城市中郷町上桜井の事務所で支持者らと当選確実の一報を喜び合い、花束を受け取った。その上で「市役所は市民のためにある。その基本姿勢を忘れずに市民主役の北茨城市を作り上げていきたい」と語った。
今井氏は市議を6期約20年務めた経験を生かし、市民目線のスタンスを強調して草の根の選挙運動を展開。市長を通算7期務め、8月に死去した豊田稔氏や、その長男である茂氏に対する批判票を集めた。国民民主党の玉木代表や榛葉賀津也幹事長らが応援に駆け付け、県議や市議が選挙戦を支えた。連合の支援も受け、幅広い支持を得た。
豊田氏は世襲批判をかわし切れず
豊田氏は自民党の県議時代の実績をアピールして戦ったが、世襲批判をかわし切れず、今井氏に票が流れた。松本氏は「反豊田票」を今井氏に取られ、伸び悩んだ。
前回まで4回続いた現職と新人の一騎打ちから一転し、新人4人の争いとなった今回の選挙で、有権者は「変化」を求めた。今井氏は、死去した豊田稔氏について「カリスマ的市長。見習うべきところがある」と評価しつつ、前市政に是々非々のスタンスを示していた。
前市政との違いを鮮明に
選挙戦に入ると、「変えよう北茨城」と批判の色を強めて対立軸を示した。関本富士ヶ丘オートキャンプ場整備の中止、データセンター誘致の見直し、新電力会社事業の再検証などを掲げ、前市政との違いを鮮明にして支持を広げた。
市議から市長に変わり、進行する各事業の修正を図るには議会の同意が必要な場面もある。公約を実現する行政手腕が試される。