風景印とは?兵庫で419局が対応
全国各地の郵便局で押してもらえる「風景印」は、地元の景色や名所などが描かれた特別な消印で、愛好家らに人気がある。兵庫県内では全郵便局のうち約半数の419局(1月現在)で希望すれば押印可能だ。正式名称は「風景入通信日付印」で、規定の郵便料金以上の切手(はがきなら85円以上)を貼ったはがきや封筒、台紙を郵便局に持っていくと押印してもらえる。
人気の図柄:姫路城や甲子園球場
神戸中央局ではポートタワーや異人館、洲本局では洲本城跡、出石局では明治時代の時計台「辰鼓楼」と出石城跡が採用されている。姫路局は世界遺産・姫路城だ。また、枠の形を工夫した「変形印」もあり、宝塚局はたて琴をかたどった枠内に宝塚市立手塚治虫記念館や市の花であるスミレ、音符を添えている。国内有数の酒所・灘五郷にある東灘局は、梅の花の形の枠内に酒蔵が描かれている。
歴史と変遷:1931年から続く伝統
切手文化博物館(神戸市)や切手専門誌によると、風景印は1931年、富士山局と富士山北局で使われたのが最初という。観光PRに役立てようと各地の郵便局に広まり、第2次世界大戦の影響で1940年に全ての使用が中止されたが、1948年から使用が再開された。公益財団法人日本郵趣協会によると、今年1月時点で全国の約1万1600局が取り扱っている。まちの景色の変遷や郵便局の移転などで図案が変更されたり、廃止されたりすることもある。同館によると、神戸中央局の風景印は戦前、南北朝時代の武将・楠木正成をまつる湊川神社楼門の紋章に徳川光圀筆の墓碑がデザインされていた。
コレクターの楽しみ方と郵頼制度
姫路城の絵はがきに風景印を押してもらったり、風景印に関連したデザインの台紙を手作りしたりするなどさまざまな楽しみ方がある。集めた風景印をSNSなどに投稿し、趣味仲間とやり取りする人もいる。切手愛好家らでつくる神戸郵趣会の池田正宏さん(82)は、心引かれる風景印を扱っている郵便局を調べ、現地を訪問して押印してもらっている。北海道や沖縄県などの郵便局を訪ねて集めた風景印は数百個に上るという。西宮市の阪神甲子園球場が開場100周年を迎えた2024年8月1日には、球場について自身でまとめた文章をはがきに印刷し、同市内の郵便局を巡って球場がテーマの風景印を収集した。赤穂局と赤穂忠臣蔵局(いずれも赤穂市)では、赤穂義士をデザインした台紙に義士の図柄の風景印を押してもらった。入手したい風景印の郵便局が遠方にある場合は、切手を貼った台紙を送り、風景印を押して返送してもらう「郵頼」という方法もある。同館学芸員の長嶋和重さん(49)は「旅の記念や地域の魅力を探るアイテムになっている」と話す。



