沖縄県名護市辺野古沖で高校生と船長の2人が死亡した転覆事故をめぐり、県議会の野党などが玉城デニー知事の責任を主張している。船の運航団体が、「辺野古移設反対」の立場の玉城氏を政治的に支援してきたことが理由だ。9月に知事選が控える中で論争の的になっているが、妥当なのか。現時点のポイントを整理する。
事故の概要と県議会での論戦
事故は3月16日にあり、平和学習中の同志社国際高校の生徒と船長が死亡した。転覆した船は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設に反対する市民団体「ヘリ基地反対協議会」に所属。6月から開かれた県議会では、事故の責任や県の対応を問う質問が、県政野党の自民県議を中心に飛び交った。
自民県議「知事の責任は極めて重い」
自民県議の一人は「起こるべくして起こった人災。知事の責任は極めて重い」と批判した。2024年に名護市安和で抗議中の女性と警備員がダンプカーにはねられ死傷した事故を例に挙げ、こうした問題への対応が不十分だったために今回の転覆事故が起きたのではないかと主張した。
別の自民県議は、2015年から昨年までに、辺野古移設の抗議者や工事関係者らが刑法犯や道路交通法違反などで県警に検挙された事例が156件あったが、玉城知事が「辺野古移設阻止」を掲げるために「見て見ぬふりをしていたのではないか」などと訴えた。
知事与党県議「結びつけるのには限界がある」
もっとも、抗議活動の警備や取り締まりは警察や海上保安庁の権限に属し、県が関与できる範囲は限られている。今回の転覆事故に関しては、乗船した高校生の誘致や船の運航・管理に県は直接関係していない。玉城知事を支える与党県議は「知事と事故を結びつけるのには限界がある。知事選が迫る中で、(自民側が)知事の責任を追及したいのでは」と語る。
玉城知事は県の責任について、「修学旅行の誘致を行っている県として、(再発防止に)責任感を持って取り組む」と説明している。



