横浜市長選は18日、投開票される。前職と新顔の計7人の候補者が、パワーハラスメント問題で辞職した前職の返り咲きの是非や、市の財政健全化などを巡り、論戦を繰り広げている。熱を帯びる最終盤の各陣営を追った。
藤川氏「市民の声を代弁」、山中氏「市政に押し戻して」
市民団体代表で無所属の藤川祥子氏(51)は16日、関内駅前でマイクを握り、「市民の声をしっかりと代弁していく。(政党ではなく)市民の声を象徴する存在として役割を果たしていく」と訴えた。選挙戦を通じて、「自分たちの声が行政に届いていない」と憤る街の声を繰り返し耳にしてきた。街頭では、「医療や介護、教育の分野で働く人の処遇改善をしっかり進めていく」とも繰り返した。
「山中竹春を市政に押し戻してください」。15日夜、関内駅に立った前市長で無所属の山中竹春氏(54)は声を振り絞った。ほかの候補が優勢とする情勢調査の報道もあるなか、「このまま特定の政党のみこしとなる市長が生まれれば、皆様が税金を払っている価値は必ずなくなる」などと強調。山中氏が通行人と握手するなか、陣営スタッフも「非常に厳しい戦い。皆様のお気持ちがたより」などとアナウンスし、追い込みをかけた。
中谷氏「政治経験必要」、原沢氏「一票の重み知った」
前衆院議員で無所属の中谷一馬氏(43)は16日、陣営が三輪自動車「トゥクトゥク」を走らせるなか、横浜駅西口などに立った。仲間の他自治体の首長や元国会議員らがビラを配り、中谷氏は握手を求めた。
中谷氏は、これまで通り「6つのゼロ」などの政策を一つ一つ説明し、「これから政策の準備・勉強をするのでは務まらない。(市長として)政治経験が必要不可欠」と改めて訴えた。
弁護士で無所属の原沢敦美氏(59)は、支援を受ける自民、維新、国民民主、公明の市議や県議、国会議員らと共に、駅頭や商店街などを回っている。知名度不足が課題だったが、週明けから「(期日前投票を)入れてきた。頑張って」などと声をかけられることが増えた、と語る。「一票の重みを初めて知った。この方たちの期待に絶対に応えたいと、覚悟を新たにしている」
15日夕に中区のホールで開かれた総決起大会には主催者発表で1千人が集まった。
福山氏「市民税減額」、山本氏「住民と一緒に」
会社経営者で無所属の福山敦士氏(37)は16日、推薦を受けた参政党の支持者らと商店街などを歩き、南区弘明寺では「市民税を下げる。お金のゆとり、心のゆとりを守っていく」と訴えた。
選挙終盤になり、有権者に分かりやすい「市民税減額」を強く打ち出すようにした。「子どものスポーツ体験の多様化」「社会を生き抜く実践型教育の導入」なども訴えた。
建築家で無所属の山本理顕氏(81)は15日夜、自ら設計した神奈川区の子安小学校で個人演説会を開いた。体育館でモニターにデザイン画や映像を映し出し、屋台や職住一体の住宅をつくることで「観光収入を1兆円にする」と訴えた。
会場から「政策に協力してくれる陣営はあるか」との質問に「横浜市の住民です。住民が一緒にやらなければできない仕事」と述べると拍手が湧いた。
浅賀氏「『稼ぐ横浜』に疑義」
共産党公認で党県副委員長の浅賀由香氏(46)は15日夜、聴衆のペンライトが光る桜木町駅前でマイクを握った。
浅賀氏は、前市長の再出馬について「ハラスメントの軽視」と改めて批判。この間の駅前での対話活動で聞いた声も紹介し、「豊かなはずの横浜で生活が苦しい人がいる。企業誘致や大規模開発にばかり税金を使っているからだ」と訴え、他候補の「稼ぐ横浜」の政策に疑義を唱えた。同党の山添拓参院議員も応援に駆け付けた。