マクロン氏、パリ暴動で「極左集団の暴力」批判 政府は矢面に
マクロン氏、パリ暴動で「極左集団の暴力」批判

フランス各地で17日に起きたデモが暴動に発展したことを受け、マクロン大統領は18日、国民向けのテレビ演説で「国家は平穏と秩序を求めている」と述べ、事態の沈静化を訴えた。大規模な都市暴力を防げなかったことで政府は批判の矢面に立たされており、約半年後の大統領選を前にマクロン政権の指導力の低下を印象付けた。

「極左集団の暴力」と批判

マクロン氏は役所への放火や商店略奪が広がったことについて、「極左集団に多数の犯罪者が加わり、歯止めのない暴力をふるった」と批判した。「フランス人が、どうしてフランスに対してこんなことができるのか」と怒りを示し、犯罪者は裁きにかけ、損害を賠償させると明言した。

高校生たちが教育現場の改善を求めてデモを行ったことについては理解を示し、対話の機会を設けると述べた。庶民の不安に応じてガソリン高騰解消にも努力する構えを示したが、政府の支援策には言及しなかった。

政府は財政難で新たな措置に余裕なし

政府は財政危機に直面し、2027年の緊縮型予算案を国会に示したばかり。新たな予算措置をとる余裕がない。

仏メディアによると、暴動は18日にはおおむね収まったが、パリ中心部では緊張が続いた。破壊された商店に入り込み、商品を持ち去る略奪が続出。暴徒と警官隊の小競り合いも散発した。業界団体によると、略奪被害にあった商店は全国で約1500カ所にのぼった。警察は18日までに約2400人を身柄拘束した。

大統領選候補者から批判が噴出

大統領選の候補者たちからは、マクロン政権への批判が噴出した。支持率で首位に立つ極右「国民連合」のルペン前党首は18日にビデオ演説を行い、「マクロン政権は息も絶え絶えだ。疲れ切って混乱している」と批判した。極左「不屈のフランス」のメランション元下院議員は、暴動は悪政が招いた結果だと主張した。

マクロン政権与党党首のフィリップ元首相はSNSで、マクロン氏の演説について「秩序回復で具体策が示されるのを望んでいた」と失望感をあらわにした。

17日のデモは、高校生や労働組合などの約55万人が参加。中部リモージュでは19世紀に建設された市役所が暴徒に放火され、焼失した。