米軍が7月12日以降、イランに対して実施している連日の攻撃は、18日までの1週間でイランの全31州のうち14州に及んでいることが、イラン国営テレビなどの報道を基にした読売新聞の集計で明らかになった。攻撃範囲は当初の5州から徐々に拡大し、インフラ(社会基盤)や民間人の被害も伝えられている。米中央軍は18日、米兵の死亡を発表しており、戦線拡大と報復の連鎖に歯止めがかからなくなる恐れが強まっている。
攻撃範囲の拡大と目的
米中央軍は12日以降、毎日空爆を実施。イラン保健省は18日、6月27日の攻撃再開後の死者が50人を超えたと発表した。米軍はイラン攻撃について、ホルムズ海峡を通過する商船に対するイランの攻撃能力を低下させるのが目的と説明している。攻撃はペルシャ湾からオマーン湾にかけたイラン沿岸部に集中しているが、範囲は徐々に拡大し、南部や西部から全土に広がっている。
焦点の移行とイランの反撃
米国とイスラエルによるイラン攻撃は当初、イランの核兵器開発の阻止が主目的だったが、イランがホルムズ海峡を事実上封鎖したことで焦点が同海峡に移行。現在は米軍がイラン関連の船舶を対象とした海上封鎖を再開し、海峡を巡るせめぎ合いが続いている。イランは近隣諸国の米軍基地などに反撃しており、双方とも標的は軍事拠点と発表しているが、民間施設や民間人にも被害が及んでいる実情がある。
トランプ政権の作戦拡大検討
米主要ニュースサイト「アクシオス」は17日、トランプ米大統領が数日中にイランへの軍事作戦の拡大を命じる可能性があると報じた。発電所を含むインフラ施設や、地下深くに核施設を建設中とされるイラン中部の「ピックアックス山」などが標的に浮上しているという。イラン最高指導者モジタバ・ハメネイ師の顧問モフセン・レザイ氏は17日、国営テレビで「イランは停戦を利用して、弱点の特定と軍の再建・強化を行った」と語り、米軍の作戦拡大に対する備えを強調した。
今後の展望
米軍の攻撃拡大により、さらなる報復の連鎖が懸念される。イランはこれまでに近隣諸国の米軍基地へのミサイル攻撃などで応酬しており、地域全体の緊張が高まっている。国際社会からは停戦と外交的解決を求める声が上がっているが、事態の打開は見通せない。



