国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)トップのソンダース事務局長代理が23日、訪問先のマニラで朝日新聞の単独会見に応じた。2025年10月のイスラエルとイスラム組織ハマスの停戦合意後も戦闘で1千人以上が死亡した現状を「統治がほぼ機能していないカオス」と表現。イスラエルが人道物資の搬入を制限し、支援が滞っている状況に危機感を示した。
ガザの現状と復興への課題
ソンダース氏は、24日までマニラで開かれていた東南アジア諸国連合(ASEAN)外相関連会議に出席し、日本が主導する「パレスチナ開発のための東アジア協力促進会合(CEAPAD)」閣僚級会議などで各国外相らにガザの現状を訴えた。
ソンダース氏は、2年以上続いた激しい戦闘でガザの住居やインフラが壊され、住環境や衛生状態は「極めて深刻」と指摘。停戦発効から8カ月以上経つが、ガザの復興に向けた停戦合意の第2段階に移る兆しは「見られない」と述べた。
支援の困難と対話の状況
UNRWAは現地の保健施設などを通じて支援を続けている。ただ、イスラエルは昨年1月、イスラエル国内でUNRWAの活動を禁じる法律を施行。ソンダース氏は、ガザへの人道物資の搬入が制限され、支援が困難な状況だと指摘した。現地での物資購入や、他の機関との提携により「何とか対応している」と苦しい事情を語った。
打開策のため「米国側と連絡を取り合っている」一方で、イスラエル側との対話は「困難な状況」と説明。「(パレスチナ人が)故郷で平和に暮らし、イスラエルと共存できる、公正な解決策が必要だ」と訴えた。



