サウジアラビア、原油生産量維持へ OPECプラス減産延長に反対の立場
サウジ、OPECプラス減産延長に反対の立場

サウジアラビアは、石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC産油国で構成される「OPECプラス」に対し、現在の減産合意を延長せず、生産量を維持する意向を示した。複数の関係筋が明らかにしたところによると、サウジは世界の原油需要が回復しつつあるとの認識に基づき、減産延長に反対する立場をとっている。

OPECプラスの減産合意とサウジの立場

OPECプラスは、2020年の新型コロナウイルス感染拡大による需要急減を受けて、過去最大規模の減産を実施。その後、段階的に生産量を増やしてきたが、現在も日量約580万バレルの減産を続けている。次回のOPECプラス閣僚会合は12月4日に予定されており、2023年の生産方針を協議する見通しだ。

サウジはこれまで、減産を通じて原油価格を支える役割を担ってきたが、今回の会合では減産延長に慎重な姿勢を示している。関係筋は「サウジは、需要が堅調であることから、減産を維持する必要性は低いと考えている」と述べた。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

他の産油国との見解の相違

一方、他のOPECプラス加盟国、特にアラブ首長国連邦(UAE)やイラクなどは、減産延長を支持する可能性がある。UAEは、世界経済の不透明感や中国のゼロコロナ政策による需要減退を懸念し、減産継続を主張するとみられる。また、ロシアもウクライナ侵攻後の制裁により原油生産に影響が出ているため、減産延長に前向きとされる。

サウジの反対が強まれば、OPECプラス内で亀裂が生じる可能性も指摘されている。2021年には、UAEが減産ベースの見直しを要求し、協議が一時決裂した経緯がある。

原油市場への影響

サウジが生産量を維持すれば、原油価格は下落圧力を受ける可能性がある。現在、北海ブレント原油は1バレル=85ドル前後で推移しているが、減産延長が見送られれば、80ドルを下回ることも予想される。一方、需要が実際に回復していれば、価格は下支えされる。

エネルギー専門家は「サウジの決定は、短期的な価格変動をもたらすが、長期的には需要と供給のバランスに依存する」と分析している。

今後の展望

12月のOPECプラス会合では、サウジと他の加盟国の調整が焦点となる。サウジが主張する需要回復の根拠として、米国や中国の石油在庫の減少や、航空需要の回復などが挙げられる。しかし、欧州のエネルギー危機やインフレ進行が需要を抑制するリスクもあり、意見は分かれている。

サウジは、自国の財政均衡に必要な原油価格を1バレル=80ドル程度と試算しており、これ以下の価格下落は許容できない可能性がある。そのため、生産量維持による価格下落リスクと、減産継続による市場シェア低下のリスクを天秤にかけた判断を迫られている。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ