ロシア下院選は民主選挙に非ず プーチン氏は侵略を止めよ
ロシア下院選は民主選挙に非ず 侵略を止めよ

ウクライナ侵略後で初めてとなるロシア下院選が行われ、プーチン露大統領の与党「統一ロシア」の圧勝が演出された。侵略が国民の支持を得ていると見せかけるための茶番にほかならず、結果を認めることはできない。プーチン氏は直ちに非道な侵略をやめなければならない。

強制的な投票と反戦政党の排除

選挙は、投票機会を確保する名目で18~20日の3日間行われた。政権は教師を含む公務員や国営企業の従業員らを、半ば強制的に投票に駆り立てた。唯一の反戦政党だった「ヤブロコ」は比例代表名簿への登録を取り消され、小選挙区でも次々と候補が失格とされた。侵略開始後に報道・言論統制が強まったため、独立系メディアは国内に拠点を置けずにいる。

占領地での「茶番」投票

露中央選管によると、統一ロシアは総議席数の4分の3以上という過去最多の議席を獲得した。残る議席も政権に従順な「体制内野党」で占められた。自由な環境で民意を反映したとは到底言えず、民主的選挙の名に値しない。

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投票は、ロシアが一方的に併合を宣言したウクライナ東部・南部4州の露軍占領地域でも行われた。銃を携えた兵士らが投票箱を持って地域を巡回し、住民らに投票を促した。投票所でも兵士が投票箱の前で監視の目を光らせていた。露軍占領下で、銃によって駆り立てられる投票が許されるはずもない。

国際社会の非難と日本の対応

ウクライナ外務省は占領地での投票を「茶番」と非難し、結果を認めないとした。欧州連合(EU)は「露骨な国際法違反」と断じ、関係者に制裁を科すとの声明を出した。英国、オーストラリア、カナダ、ノルウェーなども占領地での「いかさま選挙」を糾弾し、国際社会がこれを容認しないよう求めた。北方領土をロシアに不法占拠されている日本も、こうした非難に加わるべきだ。

ウクライナ侵略は4年半以上が経過し、ロシアでは燃料危機が深まるなど経済状況が悪化している。インターネット規制への国民の不満も強い。さらに、露国民の目下の最大の懸念は、侵略での兵員不足を補うため、政権が下院選を受けて大規模な動員に踏み切るのではないかということだ。実際にそうなれば国民の反発は必至であり、プーチン氏は即座に停戦して撤兵すべきである。

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