ロシア最高検察庁は8日、国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長らの身柄を引き渡すよう、ICCの本部があるオランダを含む複数の国に要請したと発表した。ICCは2023年にウクライナ侵攻をめぐり、ロシアのプーチン大統領らへの逮捕状を発付しており、ロシアは対抗措置を強めてきた。
ロシアの主張とICC側の対応
最高検察庁は声明で、赤根氏やカーン元主任検察官、ホフマンスキー元所長らの拘束と引き渡しを要求。理由として「法的根拠がないにもかかわらず、明らかに違法な逮捕状の発行を命じた」などと主張している。
ただ、オランダはイェッテン首相が「ICCに手を出すな」と訴えるなど、ICCを擁護する立場を鮮明にしている。実際に引き渡しに応じる可能性は低いとみられる。
ICCとロシア、米国の対立
ICCは23年3月、ウクライナ侵攻をめぐる戦争犯罪容疑などでプーチン氏に逮捕状を出した。ロシアはこれに強く反発。モスクワの裁判所が25年12月、プーチン氏らに違法に逮捕状を出したなどとして、赤根氏やカーン氏らに欠席裁判で3年半~15年の拘禁刑を言い渡していた。
ICCをめぐっては、米国も近年、対立姿勢を強めている。トランプ政権は今年8月に赤根氏への制裁を発表。トランプ大統領はICCを「邪悪な集団」と批判し、加盟国に脱退を呼びかけるなど、圧力を強めている。