韓国・釜山で開かれているユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会は26日、第2次世界大戦で連合国軍による上陸作戦が行われたフランス・ノルマンディー地方の海岸や周辺の遺構の世界遺産登録を決めた。
対象となった遺構
ナチスドイツ占領下だった1944年6月6日、米・英・カナダなどの連合国軍が「ノルマンディー上陸作戦」を開始した。同年8月のパリ解放を経て、翌年のドイツ降伏へとつながっていく。
世界遺産に登録されるのはノルマンディー地方のユタ、オマハ、ゴールド、ジュノー、ソードの五つの上陸海岸と、連合国軍が攻撃した断崖上のドイツ軍陣地ポワント・デュ・オックで、ドイツ軍の沿岸防御施設「大西洋の壁」の遺構や、補給に使われた人工港「マルベリーB」、記念碑などが含まれる。
歴史的意義
ソ連軍がドイツ軍を破った1942~43年のスターリングラード(現ボルゴグラード)の攻防戦と並び、第2次大戦を象徴する戦いとして語られてきた。フランスの近現代史や歴史認識に詳しい剣持久木・静岡県立大客員教授は「スターリングラードの戦いが大戦全体の流れを変えたのに対し、ノルマンディー上陸作戦はドイツを敗戦へと追い込む、最後の決定的な一打となった」と話す。
表象の変化
ノルマンディー上陸作戦は、特に戦勝国において、ファシズムやナチスドイツを打破した象徴的な場所として語られることが多くなった。節目の年に記念式典が開かれ、米国映画「史上最大の作戦」は大ヒットした。
ただ近年は意味合いが変わってきたと、剣持さんは語る。98年に公開された映画「プライベート・ライアン」では、上陸した兵士たちが次々と倒れる惨状が生々しく描かれるなど、上陸作戦による犠牲にも光が当たるようになった。また、2004年の記念式典には、シュレーダー独首相(当時)が、ドイツの指導者として初めて参加した。



