2026年10月17日、フランス全土で市民や高校生による大規模な抗議デモが行われ、内務省発表で全国55万人が参加した。一部では商店の略奪や公共施設への放火などの暴動も発生し、来春の大統領選を前に支持率が低迷するマクロン政権への圧力が一段と強まっている。
デモの背景と参加者の訴え
17日のデモでは、生活費高騰への対策や公共サービスの充実を求める市民らと、教育環境の改善を求める高校生や大学生がともに街頭に出た。仏紙ルモンドによると、パリ中心部の広場は大勢の若者で埋まり、参加者が燃料費の高騰や高校生への連帯を示していた。
9月中旬から続く高校生の抗議活動では、教員不足や校舎の老朽化への不満が噴出。各地の高校や大学で封鎖が起き、今月6日には高校生に連帯する市民も加わり、全国で25万人超(内務省発表)のデモが行われた。
一方、SNSでは9月上旬から、燃料価格などの高騰に抗議するため10月17日に全国各地でデモを実施するよう訴える投稿が広がっていた。燃料増税などへの反発で起きた2018~19年の「黄色いベスト運動」の再来を期待する声もあり、高校生らの抗議活動と連動して大きな動きへと発展した。
略奪や放火、警察の取り締まり
17日のデモでは、多くの参加者が平和的に行進した一方で、商店の略奪や公共施設への放火が相次いだ。AFP通信によると、パリやマルセイユなど各地で、覆面姿の若者らが高級ブランド店やスーパーマーケット、薬局などの入り口や窓を破壊して侵入し、商品を略奪した。
中部リモージュでは、一部の集団が市庁舎の窓を割って侵入し放火。火は屋根まで燃え広がり、建物の大部分が焼失した。
警察による取り締まりも続いており、仏紙パリジャンによると、9月中旬に高校生らの抗議活動が始まってから10月14日までに7950人が拘束された。このうち85%が18歳未満の未成年だったという。政府や野党右派は、極左勢力の関与を指摘している。