イスラエル首相府は22日、フランスのエマニュエル・マクロン大統領が国連総会の一般討論演説で、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸におけるイスラエルの行動を非難したことに猛反発した。
マクロン氏の発言にイスラエルが反論
マクロン氏は、パレスチナ自治区ガザ地区の人道状況とヨルダン川西岸におけるイスラエルの行動を非難。その際、イスラム組織ハマスについて「(イスラエルが1967年の第3次中東戦争で占領した)ヨルダン川西岸で一度も攻撃を行ったことがない(ハマスはガザ地区を拠点とし、西岸はパレスチナ自治政府の管轄であるため)」と述べた。
これに対しイスラエル首相府は声明で、「エマニュエル・マクロン氏の発言の不条理極まりなさには驚きあきれる」と反論。「ハマスのテロリストらは毎日のようにユダヤ人に対する攻撃を行っている。彼らはユダヤ・サマリア(旧約聖書に基づくイスラエル側のヨルダン川西岸の呼称)で数え切れないほどのイスラエル民間人を殺害してきた」と述べた。
入植者射殺事件を具体例に挙げる
イスラエル首相府は、ユダヤ教で最も神聖な祝日「ヨム・キプール(贖罪の日)」の前日である20日にヨルダン川西岸で発生したイスラエル人入植者射殺事件を具体例として挙げた。イスラエル側によると、殺害された6人の子の父親であるネタネル・シュクルンさんは、イスラエル国籍だけでなくフランス国籍も保持していた。
イスラエル軍は、容疑者であるパレスチナ人の武装した男を病院で逮捕した後、男が住む村を強制捜査した。ネタニヤフ政権の閣僚からは、新たな法律に基づき男を死刑にするよう求める声が上がっている。
米大使もマクロン氏を批判
ヨルダン川西岸では、過激派のイスラエル人入植者によるパレスチナ人襲撃が頻発している。国連によると、2026年半ばにかけてヨルダン川西岸ではパレスチナ人やその財産に対するイスラエル人入植者が絡む暴力事件が「1日平均約6件」のペースで発生している。
米国のマイク・ハッカビー駐イスラエル大使も、マクロン氏の発言を強く批判した。ハッカビー氏は23日、X(旧ツイッター)に「国連におけるマクロン氏の演説ほど、現実とかけ離れた演説を想像するのは難しい」と投稿。「ハマスは諸悪の根源だ。彼らは罪のない米国民をも殺害してきた」と述べた。
マクロン氏は22日の演説で、ガザの人道状況に憤りを表明し、各国に対して国際法・国連憲章の順守を呼び掛けた。「ガザ情勢に対して何もしないなら、われわれの信頼性にはどれほどの価値があるというのか。平和が達成されたと主張する者もいるが、人道支援物資の輸送は始まっていない。これはわれわれ全員にとって恥ずべき光景だ」と批判した。
また、「不法行為が毎日繰り返されているヨルダン川西岸で何が起きているかを見るがいい。いったい何の名の下にそれが行われているというのか? ハマスはヨルダン川西岸で一度も攻撃を行ったことはない。こうした毎日が、パレスチナ人の正当な生存権に対する尊重の実現を一段と不可能にさせている」と述べた。



