英二大政党制は本当に死んだのか 「ゴミ箱」めぐる補選で見えた変化
英二大政党制は死んだのか ゴミ箱めぐる補選で見えた変化

反移民や既成政党批判を掲げる右派ポピュリストが欧州各国で勢いを増す中、英国でも労働党と保守党の二大政党制は「死んだ」と言われた。しかし、2026年8月の2つの補欠選挙を経て、英国政治の風向きが変わりつつある。何が起きたのか。

「圧倒的な勝者」が姿を見せなかった夜

8月14日未明、英国南東部の海辺の街クラクトン。下院補選の開票作業が進む体育館で、国内外のメディアが詰めていたトレーニング室がざわついた。「ファラージ氏が来ないらしい」——。英国では候補者が開票所に集い、当選者がスピーチするのが通例だが、再選が確実視されていた改革党のナイジェル・ファラージ党首は姿を見せなかった。

改革党は、英国の欧州連合(EU)離脱を訴えた英国独立党(UKIP)の流れをくむ。2008年のリーマン・ショック後、保守党政権下の緊縮財政で公共サービスが低下し、24年の労働党政権誕生後も物価高が続く中で、両党への不満の受け皿となってきた。移民の抑制を強く訴えるファラージ氏は、次期首相候補にも挙げられていた。

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異例だらけの補選と「ゴミ箱」候補

そもそもが異例だらけの補選だった。ファラージ氏が突然の議員辞職と補選出馬を表明したのは7月7日。仮想通貨の投資家から受けた500万ポンド(約10億円)の贈与を申告しなかった疑いで議会の調査を受け、「有権者の判断を仰ぐ」と訴えた。しかし、先の地方選でも改革党が圧勝したクラクトンでの再選はほぼ確実で、疑惑から世間の目をそらす狙いは明らかだった。

下院選史上最多の34人が立候補したこの補選の開票所には、多数の風変わりな候補が集まった。労働党も保守党も「茶番だ」と批判する中で、ファラージ氏の筋書きは序盤から狂った。

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