バンサモロ和平最終段階、初の議会選挙へ 日本人が伴走
バンサモロ和平最終段階、初の議会選挙へ 日本人が伴走

フィリピン南部ミンダナオ島の一部など、バンサモロと呼ばれる地域で14日、イスラム教徒らによる自治政府の発足に向けた議会選挙が実施される。キリスト教徒が約9割を占めるフィリピンで、少数派のイスラム教徒は40年以上、この地域で政府との紛争を繰り広げてきた。日本の長年の支援も受け、平和的な解決が近付いている。

選挙ムードに沸く中心都市コタバト

8月下旬、バンサモロの中心都市コタバトは、あちこちに候補者のポスターが貼られ、選挙ムードに沸いていた。エンジニアの男性(51)は「投票によってリーダーが選ばれ、民意が反映される政府に期待している」と話した。

ミンダナオ島西部やスールー諸島の一部からなるバンサモロ地域には「モロ」と呼ばれるイスラム教徒が暮らし、独立と自治を政府に求めてきた。武力衝突が1970年代から続き、十数万人が犠牲になった。

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和平合意から最終段階へ

政府とバンサモロ最大の武装組織「モロ・イスラム解放戦線」(MILF)は2014年に和平合意を締結。暫定自治を経て、和平プロセスの最終段階である今回の選挙となった。有権者は約240万人。選挙で選ばれた80人の議員はその後、首相を選出し、自治政府が発足する。

日本政府は約15人の選挙監視団を派遣する。茂木敏充外相は9月11日の記者会見で「日本政府が30年以上にわたって支援をしてきた和平プロセスにおける歴史的な一歩となる」と語った。

日本の長年の支援と和平調停

日本は1990年代から、経済開発や格差是正などのためにインフラ整備を中心として600億円を上回る規模の支援を進めて、この地域との関係を築いてきた。2011年には千葉県成田市で当時のアキノ大統領とMILF議長による会談を仲介し、和平への機運を育んだ。

緒方貞子氏はJICA(国際協力機構)の理事長だった08年、武力衝突が再燃して他国が支援を引き揚げたなか、「周りが引いたときこそ前に出なさい」と述べ、支援を進めたという。

日本が他国の紛争の和平プロセスにこれほど長期的に関与した例はほとんどない。外務省は新設した「国際和平調停ユニット」で和平調停に関わる人材育成に取り組む方針で、フィリピンで培ったノウハウを生かしたい考えだ。

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