「在日コリアン」とは、朝鮮半島にルーツを持ち、日本で暮らす人々のことだ。「在日朝鮮人」「在日韓国人」「在日韓国・朝鮮人」とも呼ばれる。特に、戦前・戦中から日本で暮らしてきた朝鮮半島出身者とその子孫を指す。
日本に住むようになった経緯
背景には、日本による植民地支配がある。日本は1910年に当時の大韓帝国を併合し、1945年の敗戦まで朝鮮半島を統治した。朝鮮人は日本国籍を持つことになり、日本語教育が進められ、「創氏改名」で日本式の氏名を名乗るよう求められた。
仕事や生活のため日本へ渡る朝鮮人が増え、戦時中には募集や官によるあっせん、徴用によって労働者として日本へ動員された人たちもいた。終戦時、日本には200万人を超す朝鮮人がいたとされる。戦後、多くは朝鮮半島へ戻ったが、約60万人が日本に残った。その子や孫、ひ孫らが日本で生活を続け、在日2世、3世、4世などと呼ばれている。
国籍と在留資格の実態
日本では原則、出生地ではなく、親の国籍で子どもの国籍が決まる。何世代も前から日本に住んでいても、日本国籍がなければ外国籍だ。もちろん、日本国籍を持つ在日コリアンも多くいる。
韓国籍や朝鮮籍の在日コリアンには「特別永住者」が多い。日本に住み続けてきた旧植民地出身者とその子孫に与えられた在留資格だ。2025年末で約26万7千人おり、うち韓国・朝鮮が約26万3千人。一般の外国人より日本での在留が安定しており、在留期間の更新も原則、必要ない。
ただ、日本国籍を持つ人と同じ権利があるわけではない。住民税などを納めても、国政選挙だけでなく地方選挙でも投票できない。
「韓国籍」と「朝鮮籍」の違い
1945年に日本が敗戦し、朝鮮半島が南北に分かれた後、日本に残った人々の間でも、韓国側と北朝鮮側のどちらを支持するかで、呼称や国籍の扱いが分かれてきた。韓国籍は韓国政府が発行する国籍証明に基づくもので、朝鮮籍は北朝鮮を公式な国家として承認していない日本が、独自に定めた「朝鮮」という表記を使った籍だ。
このように、在日コリアンは歴史的な経緯から、日本社会の中で特別な立場に置かれてきた。彼らの権利や地位をめぐる議論は、今も続いている。



