紅海の要衝バベルマンデブ海峡で原油輸送を途絶させるな
紅海の要衝バベルマンデブ海峡で原油輸送を途絶させるな

イエメンの親イラン民兵組織フーシ派が、紅海の出入り口にあたる要衝バベルマンデブ海峡周辺の港湾都市や島を掌握した。フーシ派は、イエメン暫定政権を支えるサウジアラビアと対峙しており、同海峡経由で原油を輸送するサウジにとって大きな脅威となっている。

ホルムズ海峡の代替航路への攻撃

同海峡は、米国とイランが交戦を続け、航行が極めて困難な状態に陥っているホルムズ海峡の代替航路だ。フーシ派は、攻撃の標的はサウジ船に限定されると主張しているが、危険な状況下では、どの国の船も通航できるわけがない。

タンカーの通航が妨げられる状況が続けば、スエズ運河経由で運ばざるを得なくなり、原油価格の高騰を通じて世界経済の混乱はさらに深まる。日本も大きな影響を受ける。重要航路での原油輸送を途絶させてはならない。

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パイプライン攻撃で供給量の4%が失われる恐れ

事態の悪化に拍車をかけているのが、ホルムズ海峡の迂回ルートとして原油を紅海側のヤンブーに送っているパイプラインが攻撃されたことだ。イラク国内の親イラン武装組織の仕業とみられる。

損傷したパイプラインの稼働が再開しなければ、世界の石油供給量の4%が失われるとも試算される。完全復旧には3~5週間かかるとの見方がある。

バベルマンデブ海峡でのフーシ派の攻勢や、イラクの親イラン組織によるパイプライン攻撃のいずれも、イランの革命防衛隊との関連が取り沙汰されている。イランが原油輸送を妨害することで、米国に圧力をかけようとしているのは明白だ。

国際社会の対応と日本の役割

原油を中東に依存する世界経済を人質にとるかのようなイランの動きは看過し難い。国際社会は、ただちに妨害をやめるよう迫らなければならない。

国連安全保障理事会の緊急会合では、米代表がフーシ派に、掌握地域からの撤退を要求し、ロシアの国連大使も「海峡の航行の不安定化は極めて憂慮される」と述べた。ロイター通信によれば、中国も最近、フーシ派を抑え込むようイランに非公式に要請したという。

バベルマンデブ海峡の要衝、ペリム島からわずか約20キロの対岸に位置するアフリカ・ジブチには、自衛隊の護衛艦などが海賊対処活動の拠点を置いている。日本政府には、果たすべき役割を考えてもらいたい。

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