東南アジアの内陸国ラオスの空港で、中国とラオスが共同で管理する軍事施設が開設された。軍事的な支援を目的としており、専門家は中国にとって東南アジア初の本格的な国外基地となる可能性があるとの見方を示している。カンボジアの海軍基地の拡張支援に続く動きで、中国が東南アジアで軍事的な影響力を一段と拡大させている。
バンクン空港に共同支援訓練センターと航空学院
中国国防省は9月29日、ラオスの首都ビエンチャンから北約50キロ・メートルにあるバンクン空港で、「共同支援訓練センター」と「航空学院」の運用を開始したと発表した。ラオス空軍のパイロット育成の支援を目的に挙げ、施設は両国が共同で維持管理する。同省は声明で「第三国を標的とするものではない」と言及した。
ロイター通信は30日、衛星画像の分析から、この空港で昨年末以降、新たな滑走路や誘導路などが整備されていると報じた。シンガポールの調査研究機関「ラジャラトナム国際研究院」のコリン・コー上席研究員はSNSで、「中国軍による東南アジア初の本格的な外国基地だと結論付けても誤りではないかもしれない」と指摘した。
ラオスとの経済的結びつきと軍事協力の拡大
人民革命党の一党支配が続くラオスは全方位外交を掲げつつも、北部で国境を接する中国と経済を中心に結びつきを強めてきた。中国からの鉄道や空港などのインフラ投資が相次ぎ、2021年には中国ラオス鉄道が開通した。ラオス国内での合同軍事演習も定期的に実施されている。
中国の軍事専門家はSNSで、バンクン空港について「将来、中国空軍が世界へ展開する際、補給を行う中継基地にできる」と分析した。中国空軍も使う自国産戦闘機「J(殲)10」をラオスに輸出する可能性があるとの見方も示した。この専門家は、イラン情勢などを背景に米軍のアジアへの関与低下が指摘される中、中国とラオスの軍事協力が「地域における米国の影響力と均衡を図る有効な手段となる」と主張している。
カンボジアの海軍基地拡張と中国の影響力
中国はカンボジアでも、南部のリアム海軍基地の拡張工事を支援した。同基地はタイ湾に面し、南シナ海に近い。昨年4月の拡張前から、中国艦船が輪番で寄港している。カンボジアは日本や米国などの艦船も入港させてバランス外交をアピールしているが、中国の軍事拠点化への懸念は強い。