「内戦は既に始まっている」極右団体幹部が語る武装の必要性 ルート66取材記
「内戦は既に始まっている」極右団体幹部が語る武装の必要性

アリゾナ州中北部のヤバパイ郡チノバレーで、極右団体「オース・キーパーズ」の地元リーダーを名乗るジム・アロヨさん(66)が、「内戦は既に始まっている」と主張し、武装の必要性を説いている。現地で記者がインタビューした。

「黒い銃が海外メディアにはウケる」

取材場所に指定された銃器販売店に入ると、奥でAR型ライフルを整備していたアロヨさんは「こういう黒い銃が海外メディアにはウケる。意地悪そうで、怖そうに見えるからね」と冗談を交えて語った。同店で銃の修理、整備などを行う専門技術者「ガンスミス」として働いている。

アロヨさんは米陸軍で武器の取り扱いを学んだといい、現在は地域住民に「災害」への備えを教える非営利団体「ヤバパイ郡プリペアドネス・チーム(YCPT)」の代表を務める。帽子には「オース・キーパーズ」のロゴが入っており、軍や警察の経験者を中心とした同団体の名前には、軍人や警察官が就任時に立てる「国内外の敵から憲法を守る」との誓いが退職後も失効しないとの意味が込められているという。

備えるべき「人間が引き起こす災害」

YCPTが備えを呼びかける「災害」には、山火事や洪水などの自然災害に加え、経済崩壊や暴動、内戦といった「人間が引き起こす災害」も含まれる。住民には、携帯電話が使えない場合の無線通信の方法や、負傷時の止血帯の使い方を教えるほか、通貨価値の下落に備えて資産を金や銀に分散すること、略奪者から地域を守るための武器と弾薬の用意を勧めている。

その論理は、経済が崩れれば物流が止まり食料が不足する、路上で暴動が起き政府が治安を維持できなくなる、異なる政治勢力が支配を争えば最後は銃撃戦になる、というものだ。アロヨさんにとって内戦は突然始まる出来事ではなく、米国ではすでに政治的な初期段階が始まっており、まだ全面的な銃撃戦になっていないだけだという。

危機感のきっかけは2020年大統領選

アロヨさんが危機感を抱くきっかけとなったのは、2020年の大統領選だったという。同氏は選挙結果について「どう考えたって『数字が合わない』」と述べた。