高知県は高知龍馬空港(南国市)を発着する韓国便の新規就航を目指し、韓国側への働きかけを強めている。現地でのプロモーション活動やSNSでの発信が奏功し、韓国人宿泊者数は急増中だ。県は高知空港の国際化を進めており、将来的に韓国との直行便の就航につなげる狙いがある。
ソウルで商談会、韓国側から「ドン・キホーテは高知にある?」の質問も
県が9月14日にソウルで開いた観光業界やメディア向けの商談会で、「リバーサイドホテル松栄」(高知市)の上村博孝専務は「(ディスカウント店の)ドン・キホーテは高知にあるんですか」と尋ねられ、「1か所で買い物を済ませることができる店舗のニーズがある」と受け止めたという。
商談会には県内の旅館やホテル、飲食業などの27団体が出展し、県の魅力をPRした。県側には「韓国からの航路誘致に真剣に取り組んでいる姿勢を見せる」という思いがあり、韓国側の旅行会社からは「高知について詳しく知ることができ、ツアー商品を作るための参考になった」との声が上がった。
上村専務は商談会を通じ、「団体ツアーのコースに高知が取り入れてもらえるのではないか」と好感触を得た。Kochi黒潮カントリークラブ(芸西村)の八木敦士支配人は「来年3月以降に予約が入った。高知の観光レジャーの一つにゴルフを入れてほしい」と期待する。
SNS戦略とインフルエンサー招致、韓国テレビ局の特集も追い風に
韓国のテレビ局は今年2月、高知の「おきゃく文化」やカツオのたたきなどを紹介する特集を放送した。これを好機ととらえた県は、韓国語で発信するインスタグラムのアカウントを積極活用し、高知の食やにこ淵などの観光地を紹介しているほか、韓国の人気検索サイト「NAVER」のブログも活用するなどして、魅力発信に注力する。
SNS戦略と並行して、高知に招く取り組みも進めている。ツアー商品を作ってもらおうと、昨年12月、韓国の旅行会社の関係者を桂浜や県立牧野植物園、四万十川などの観光地に案内し、土佐和紙の紙すき体験をしてもらった。今年7月には韓国のインフルエンサーへの視察ツアーも実施した。
韓国人宿泊者数は前年比233.8%増、来春には台湾定期便も就航へ
四国4県のうち、韓国便がないのは高知だけだ。高松、松山空港はソウル、釜山の2都市、徳島空港はソウルとの定期便がある。高知は乗り遅れた格好だが、県内の韓国人宿泊者数は増えている。
観光庁の外国人延べ宿泊者数の統計(速報値)によると、今年1~7月に県内で宿泊した外国人は、台湾3万5270人(前年同期比105.9%)、韓国9750人(同233.8%)、中国9580人(同136.5%)などで、韓国の伸びが目立つ。高松や松山などを経由して高知に来ているとみられており、高知の関係者には「直行便が実現すれば、韓国人宿泊客は更に増える」とみる向きは多い。
高知空港には来年3月末、初の国際定期便として台湾便が就航する。県は約40億円を投じて新ターミナルビルを建設中で、県国際観光課の谷内康洋課長は「高知を知ってもらうプロモーション活動を地道に展開し、韓国との直行便就航につなげたい」と話す。