宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、民間企業のロケットエンジン開発を支援する初めての施設「官民共創推進系開発センター」を宮城県角田市に整備し、今月から運用を開始した。宇宙産業への民間参入が進む中、JAXAの施設や技術、知見を提供し、民間のロケット開発を強力に後押しする。
施設の概要と設備
施設は、ロケットエンジンの開発を担うJAXA角田宇宙センター内の敷地約1万平方メートルに整備。主にエンジン開発の試験を行う試験棟や組み立てを行う準備棟、試験を遠隔操作できる計測制御棟などが整備された。
試験棟では、燃焼試験や、ロケットエンジンに燃料を送る「ターボポンプ」駆動試験、エンジンの出力調整などに使う部品の性能試験が行える。
稼働率向上の工夫
稼働率向上のため、試験棟の中に試験室を3室用意し、準備棟にも組み立て室を2室設けた。最大3グループが並行して作業を行うことができ、試験棟の滞在期間を大幅に縮めることができる。
利用者の希望によって、開発の計画から試験の実施・評価までを、JAXAが委託する「コスモテック」(東京都)が行う。宇宙開発の研究を行う企業で、必要な場合はJAXAも支援する。既に利用に関する相談は、新興企業など10社を超えているという。
式典での期待
13日にはオープンを記念した式典があり、角田市の黒須貫市長やJAXAの山川宏理事長ら約80人が出席。山川理事長は、「JAXAの技術や知見を広く社会に開放し、官民が力を合わせて宇宙開発の技術の発展につなげたい」と期待を語った。