スタートアップから建設現場へ転身した31歳、人手不足の中で見いだした価値
スタートアップから建設現場へ転身した31歳の挑戦

AI(人工知能)などによる業務の省力化に伴い、事務職は約440万人の余剰が生じる可能性がある――。経済産業省が今年まとめた「2040年の就業構造推計(改訂版)」に衝撃が広がった。

推計は同時に、建設や製造、農業などの現場で働く「ブルーカラー」が260万人不足すると警鐘を鳴らした。

「きつい、汚い、危険」から「チャンス」へ

きつい、汚い、危険の「3K」職場とされ、低賃金で敬遠されてきた業種の一部では、人手不足を背景に賃金が上がり始めている。そんな状況を「チャンス」と捉える動きが広がりつつある。

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宮崎市の測量・補償コンサルタント会社「南都技研」に、親会社のスタートアップ企業「クアンド」(北九州市)から移った新家遼士さん(31)は、2025年1月、新設の建設DX推進室長として着任した。平均年齢50代半ば、従業員15人の技術者集団で、新家さんは戸惑いの視線にさらされた。

同僚は全員10歳以上年上。話しかけても遠慮がちに返され、社内の張り詰めた空気に「距離を置かれるかも」と覚悟した。

現場主義で信頼を獲得

新家さんはもともと国立北九州工業高等専門学校でロボット開発につながる機械工学やプログラミングを学び、卒業後は電機大手の富士通に就職。しかし、大企業の細分化された業務が肌に合わず、4年で辞表を出し、地元のスタートアップ企業に転じた。

子会社に常駐して間もなく、宮崎市から約40キロ離れた九州山地の中腹の現場に向かい、ベテラン技術者の作業を手伝った。その後も週1回のペースで現場に出向き、泊まりがけの仕事では夕食をともにした。

「現場主義」に徹することで社内の空気が変わり始めると、気になることがあった。調査の取りまとめや図面の作成、発注者との打ち合わせや入札案件の選定など、長年続いていた作業の多くは人力だった。前職ではITツールを導入し業務を効率化することが当たり前だった新家さんにとって、土木の現場には既存業務の負担を大きく減らせるチャンスがあった。

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