2024年1月にスタートした新NISA(少額投資非課税制度)は、約1年が経過した。この間、日経平均株価は上昇基調をたどり、積立投資の利用者が増加している。しかし、投資初心者の参入が進む一方で、リスク管理の重要性も指摘されている。
株価上昇と積立投資の拡大
新NISA開始以降、日経平均株価は約30%上昇し、2024年12月には4万円台を回復した。この背景には、企業業績の改善や海外投資家の買い戻しがある。また、積立投資(つみたて投資枠)の口座数は、新NISA開始前と比べて約2倍に増加。月間の積立額も平均で3万円を超え、過去最高を更新している。
金融庁の調査によると、新NISAの利用者の約6割が20~40代の若年層で、特に30代の割合が高い。積立投資の対象として人気なのは、全世界株式やS&P500に連動するインデックスファンドだ。
投資初心者のリスク管理が課題
一方で、投資初心者の参入が増えたことで、リスク管理が課題となっている。特に、価格変動の大きい個別株への投資や、レバレッジ型ETFへの過度な集中が懸念される。ある証券会社の担当者は、「新NISAで初めて投資を始めた人が、短期的な値動きに一喜一憂しているケースが見られる」と指摘する。
また、積立投資の継続率は約80%と高いものの、市場の急落時に売却してしまう初心者も少なくない。専門家は「長期投資の観点から、市場の変動に惑わされずに積立を続けることが重要」と強調する。
今後の展望と専門家の見解
新NISAの今後の展望について、第一生命経済研究所のチーフエコノミストは「2025年も日経平均株価は堅調に推移する見込みだが、米国の金融政策や地政学リスクには注意が必要」と述べる。また、積立投資については「非課税枠の拡大や、投資対象の多様化が進めば、さらに利用が拡大する可能性がある」と予測する。
金融庁も、新NISAの普及に向けて、投資教育の充実や相談窓口の設置を進めている。投資初心者が安心して資産形成に取り組める環境整備が求められる。



