ワタミが2024年10月に買収したサブウェイの既存店売上高が、67カ月連続で前年を上回っている。2025年度の売上高は27億円に達し、前年度の3億9000万円から約7倍に急成長した。ワタミ会長兼社長CEOの渡邉美樹氏は、セルフレジの導入やコーヒーの品質向上、ベイクドクッキーの新発売など「ワタミ式改革」が業績を押し上げたと語る。
サブウェイ買収の背景と現状
サブウェイは世界100以上の国・地域で約3万7000店舗を展開するファストフードチェーン。日本では1991年にサントリーホールディングスの子会社である日本サブウェイが事業を開始し、かつては500店舗近くまで拡大した。しかし2018年にサントリーから離れ、米国サブウェイの直接運営に移行後、2020年には店舗数が約170店舗まで減少。コロナ禍のテイクアウト需要で約180店舗に回復したところで、2024年10月25日にワタミがマスターフランチャイズ契約を締結し、日本法人を買収した。
渡邉氏は「サブウェイは日本で低迷していたが、ポテンシャルは大きい」と述べ、買収後すぐに改革に着手。先行投資段階で黒字転換はしていないものの、売上高は急増している。
セルフレジ導入でクレーム激減
サブウェイの最大の特徴は、パンや具材、ドレッシングを客が自由に選べるカスタム注文だ。従来は客が口頭で注文し、店員がその場でサンドイッチを作る方式だったが、ワタミはセルフレジの導入を加速。客がタッチパネルで注文し、決済まで行えるシステムに変更した。
この変更により、週80~100通あったクレームが13通に激減。渡邉氏は「口頭注文はサブウェイらしさでもあったが、注文ミスや待ち時間がストレスになっていた。セルフレジ化で正確性とスピードが向上した」と説明する。一部のフランチャイズオーナーからは「サブウェイの魅力が損なわれる」と難色を示す声もあったが、結果的に売上向上につながった。
コーヒーとクッキーで差別化
ワタミはコーヒーのブラッシュアップにも注力。専門店並みの品質に引き上げ、店舗で焼き上げるベイクドクッキーも新たに導入した。これらの新機軸が客のリピート率向上に寄与している。
渡邉氏は「サンドイッチはハンバーガーに対抗可能なポテンシャルを持つ。マクドナルドに並ぶ3000店舗展開を目指す」と意気込む。2025年4月には初のモデル店舗「サブウェイ ヨコハマベイサイド本店」をオープンし、年内に38店舗を新規出店する計画だ。
目標は「サンドイッチでマクドナルド超え」
ワタミは居酒屋事業から多角化を進めており、サブウェイは成長の柱の一つ。渡邉氏は「目標1兆円のグループ売上にはファストフードが必要。サンドイッチの3要素(パン、具材、ソース)を磨き込み、日本未上陸だった世界で人気の商品も投入する」と語る。
業界関係者は「サブウェイの復活はワタミの改革力の証明。セルフレジ化が成功したことで、他のファストフードチェーンにも波及する可能性がある」と分析している。



