政府は今月、防災などの行政事業に活用できる技術を持つスタートアップ(新興企業)の支援組織を内閣府に新設した。防災のほか、防衛、インフラ(社会基盤)整備などを念頭に、省庁による試験導入を積極的に進め、新興企業の市場開拓を後押しする。
SBIR推進グループの役割
人工知能(AI)や無人機(ドローン)など、政府が掲げる「戦略17分野」を対象に、新興企業と省庁を仲介する。SBIRと呼ばれる新興企業の研究開発支援制度の専門部署で、内閣府の科学技術・イノベーション推進事務局内に「SBIR推進グループ」を設置した。新興企業が手がける最新の製品・サービスを各省庁の課題解決につなげるのが目的だ。
企業側への効果
各省庁が有用性を確認し、複数年契約を結べば、企業側も大規模な設備投資がしやすくなる。研究開発だけでなく、実用化・収益化の具体策につなげ、新興企業の育成を加速させる狙いがある。
想定される成果と予算措置
例えば、防災分野では、空間解析AIによる避難所の混雑状況の可視化や、独自の水処理システムを活用した断水時の生活用水確保といった成果を想定している。SBIR推進グループが省庁側のニーズを聞き取った上で、関連する新興企業の技術を紹介し、試験導入のための予算を内閣府で一括計上する。
政府が先月閣議決定した日本成長戦略は、2025年現在で2万5000社の新興企業を将来的に10万社まで増やす目標を掲げ、「SBIR制度の抜本強化」を柱に位置づけている。
◆SBIR= Small/Startup Business Innovation Research



